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安部公房『東欧を行く―ハンガリア問題の背景―』読了

コミュニスト(共産主義者)だった頃の旅行記。

社会主義こそが平和になる理想の世界だと信じている。戦中、戦後の知識人(特に芸術家たち)は理想の世界を夢想し、それに向かって庶民は革命を起こすべきだと考えていた。

今になれば社会主義は失敗に終わった。人間の無限の欲望を組み込んでいなかったのだから、当然の成り行きだろう。

この後、安部は日本共産党と袂を別れる。安部はいち早く共産党の中に潜んでいた矛盾に気づいたのだろう。そして、そのきっかけがこの東欧旅行だった。

この経験がどのような作品形成に繋がったのか興味がある。

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