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トンニャン最終章

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トンニャンシリーズ、(前作との「間の話が未完成」のまま)最終章です。初めと終わりだけは最初に作ってしまっているので(プロローグとエピローグ。マガジン「トンニャン過去編」に収録)エ… もっと読む
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トンニャン過去編#5エピローグ(最後)

※この物語は「阿修羅王」編・「アスタロト公爵」編の本編であり、さらに昔1970年代に描いたものを、2006年頃に記録のためにPCに打ち込んでデータ化したものです。また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 宇宙の各所で爆発が起こり、灰と塵が舞う中、トンニャンは今にも消えそうに薄くなっていくアシュラを腕にかかえていた。 すでにアシュラの重さはほとんどなく、意識はとうになくなっている。 「ほら、アシュラ。宇宙が消えていくよ。もう、善も悪も無い」 何度、この光景を見

トンニャン過去編#1プロローグ(はじまり)

※この物語は「阿修羅王」編・「アスタロト公爵」編の本編であり、さらに昔1970年代に描いたものを、2006年頃に記録のためにPCに打ち込んでデータ化したものです。また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 いつの頃だろう。それはまだ、この大宇宙が生まれたばかりの頃かもしれない。 いや・・・それより以前、気の遠くなるほどの昔に、トンニャンは いた!! “わたしはトンニャン”  気がつくと彼(彼女)はそうつぶやいていた。いったいここがどこで、何故ここにいて、自分が何

トンニャン最終章#1 大天使ウリエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 「ウリエルの巻」のような意。トンニャンシリーズ最終章の最初の話です。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 クリスタルの球形には、波に飲まれ苦しみながら流されている人間たちが映っている。決して映画やドラマなどではなく、現実の光景だ。 四大天使 ミカエル・ラファエル・ガブ

トンニャン最終章#2大天使ウリエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 「ウリエルの巻」のような意。トンニャンシリーズ最終章の最初の話です。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「知っていた?知ってたって、なんだよ」 ラファエルは立ち上がって、ミカエルの襟首をつかむ。 「知っていたって、クビドが裏切ることを知ってて黙っていたのか?」 「

トンニャン最終章#3大天使ウリエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 「ウリエルの巻」のような意。トンニャンシリーズ最終章の最初の話です。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 ラファエルは黙って、またクリスタルの球体の前に座った。 ガブリエルは、両手で口をおさえたまま、立ち尽くしている。 そして 「ミカエル。二人が会っていたこと、何故会

トンニャン最終章#4大天使ウリエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 「ウリエルの巻」のような意。トンニャンシリーズ最終章の最初の話です。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「ミカエル、ガブリエル。すまない」 涙を拭きもせず、今度はガブリエルの眼はウリエルに注がれる。 「ラファエルは、職務上とはいえパワーズ(能天使)を仕切る者。今ま

トンニャン最終章#5大天使ウリエル

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 「ウリエルの巻」のような意。トンニャンシリーズ最終章の最初の話です。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「ガブリエル。堕ちる前に言っておきたいことがある」 ウリエルはガブリエルの前にひざまずいた。まるで、ガブリエルの受胎告知のように。 「ガブリエル。もう堕ちて会えな

トンニャン最終章#6ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「まるで人間たちの映画のようだな。な、サルガタナス」 悪魔の君主 アスタロト公爵は、お気に入りのソファーに座って丸いクリスタルを見ている。 「サルガタナス、そんなとこ

トンニャン最終章#7 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「せわしい奴だな。何が始まるんだ?リジュ、ローズティーを用意してくれ。話が長くなりそうだ」  フェアリーのリジュは、アスタロトの想い人だ。サーティとアスタロトが結婚す

トンニャン最終章#8 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「サルガタナス、マルコシアス、見てきたものを話して」  いつの間にかサルガタナスとマルコシアスが、かしずくように片足をたて、サーティの前にひざまづいている。  「おま

トンニャン最終章#9 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「まさか、世界中の神々が人間たちのために立ち上がるとは」 「トンニャンなのか?」 アスタロトがサーティに首を向ける。 「いいえ、トンニャンは歴史に介入できない。だ

トンニャン最終章#10 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「ルシファー様をはじめとして、堕天使の多いこと。ラファエルは、わたしも覚えている。一緒にいるのは、ミカエル・ウリエル・ガブリエルだ」 「そうか、アスタロトは、月の女神

トンニャン最終章#11 フェアリー  リジュ

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「サルガタナスの巻」の次、「リジュの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 うずまく波、降り止まぬ雨。沈んでいく人間たち。 遠くに方舟と呼ばれた乗り物が飛んでゆく。飛行機、というよりロケット、というべきか。 サーティ様は、何をそんなにおもし

トンニャン最終章#12 フェアリー  リジュ

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。 話の位置は「サルガタナスの巻」の次、「リジュの巻」のような意。 なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。 また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。 「アスタロト様!」 リジュは、バリアを割られ真っ逆さまに落ちてゆく。 今、名前を叫んでくれたのは、アスタロト様。いや、アスタロト様だけじゃない。もう一人の声。 サーティ