見出し画像

トンニャン最終章#10 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。

「ルシファー様をはじめとして、堕天使の多いこと。ラファエルは、わたしも覚えている。一緒にいるのは、ミカエル・ウリエル・ガブリエルだ」
「そうか、アスタロトは、月の女神だった。つまり、一番身分の高いセラフィム。同じセラフィムの四大天使を知らぬはずがない」
マルコシアスは、確信したようにうなずいた。
 

クビドといい、四大天使といい、何が起こっている、天帝が起こした洪水に自ら身を投じるとは。
 

「へっ。楽しみが増えたぜ。この洪水の始末がついたら、奴ら堕天使だぜ。今までえらそうにしていたのが、悪魔の仲間入り。いや、あのラファエルだけは、俺は許せねぇ」
「そう息巻くな、マルコシアス。この洪水は全てを洗い流すために起こった。いくら神々や四大天使が出てきても、そう簡単に人間たちを助けられるとは思えない。それに、ただ堕ちるかどうか」
「どういうことだ。アスタロト」
「天帝が直接、罰を下す可能性もあるだろう。なにしろ四大天使といえば、ひとりひとりが、ルシファー様に匹敵する力があるわけだし・・・」

 
「そうはさせないわ」
サーティ?
「おとなしいのね、サルガタナス」
「・・・思ったことを、全てわかっているのだろう。言葉を発するだけ無駄だ」
「利口なことね」
 

「そうはさせないとは、どういうことだ?」
サーティは、アスタロトに身体を向けた。奇しくも、同じクリスタルを覗いていたサルガタナス・マルコシアス。リジュが、皆サーティに耳を傾ける。
 

「行くのよ、私たちも」
行く?
「怖いの?サルガタナス」
「怖いなんて、何を怖がるんだ?」
 

「サーティ、行くってどこへ?」
「何をしに?」
サーティは、声をあげて笑った。
 

「よく見て。神々や四大天使ばかりじゃなくて。クビドもいるじゃない」
それは、わかっている。
 
「わかってない。」
サーティは、クリスタルを指差した。
「クビドが二人いる。二人、いるわけないでしょ?」
 

それは・・・。神々や四大天使に気を取られて・・・。
「おおかた、神々や四大天使に気を取られて、考えが追いつかなかったんでしょ?」
うふふ・・・と、サーティはまた笑った。
 
「リオールよ。クビドと瓜二つなの。しかも、純粋な天使。こんな見もの。見物に行かないわけには、いかないでしょう?」
サーティは、これ以上なく意地悪く微笑んだ。

二〇一二年平成二四年六月三〇日(土)朝方四時五〇分
ありがとうございましたm(__)m

トンニャン最終章#10 ルキフェル第三軍団大将サルガタナス

※この物語はフィクションであり、登場する人物、設定、全て架空のものです。
また、特定の宗教とは全く関係のない、完全フィクションです。

【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】

次回トンニャン最終章#11 フェアリー リジュへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/nfb79cace7b1b

前回トンニャン最終章#9 サルガタナスはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n975ce892d986

トンニャン最終章、最初から読めるマガジンはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/mb128933fa182

もしよろしければ、サポートしていただけると嬉しいです。いつも最後までお読みいただき、ありがとうございますm(__)m(*^_^*)