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キャリア的視点233 -社員教育費の使い道-

毎日ブログ 233日目(2020/10/18)

企業組織の改革の現状

私はキャリアコンサルタントとして、企業様に様々な提案をしていきます。
その中には組織にとって痛みを伴うものも、やはりあります。
私達キャリアコンサルタントに限らず企業が外部コンサルタントに何かを相談するという場合には、そこに何らかの問題が生じてある場合がほとんどだからです。

これまで何年、何十年とかけて培ってきた組織文化を、場合によっては大きく変えていく事すら行う中で、何らかの抵抗や反発が発生してくるのです。

何らかの問題があるからこそ、組織風土の刷新を必要とする訳です。それは疾患が生じて医者にかかり、手術をするのと流れとしては同じです。
が、そこで仕事をしている人たちにとって、すっかり慣れてしまった組織の在り様を変化させていくと言うことは、面倒極まりない事です。その必要性を理解していないと、そりゃ抵抗、反発なんてものは必ず起こります。大体抵抗する人が問題児であることが多いんですけど^^;

だって面倒くさいじゃないですか。慣れ親しんだものを変えていくなんて。
それまでそれでちゃんとそれなりの成果を出してきてるんです。なぜそれを変えろと言うのか。

慣れていたと言うことは、『自然にできるようになっていた』という事ですから、それを『変えろ』と言われるのは、ただただ面倒な事に違いはないのです。

メンバーたちが気付いていても、気付いていなくても、そこには問題があるからこそ、経営陣はわざわざ外注費を出してまで外部コンサルタントを入れるのです。

ある視点の提案

先に書いた通り、すでに出来上がった風土を変更すると言うことは、外科手術と同じで、どこかに負担がかかります。内科的施術の場合は血は出ないかも知れませんが、とにかく時間がかかります。
そこまでなってしまった場合は、やはりある種の痛みを伴って直していく事になります。

今回私が提案をするのは、手術をするほどではない組織に対しての処方箋です。考え方としては「予防」に該当します。

社員教育を広告宣伝費と捉える。

多分よくわからない話だと思います。
しかしこれは実は非常に重要な考え方に繋がります。

私がこれまでにも書いてきた記事に、「社員を大切にしましょう」的な記事が多くありますが、その派生版とでも言いましょうか。

会社のイメージを良くする秘策は内側からの改革一択

従業員が伸び伸びと働ける空間を作る事が第一歩です。
皆さんは社員教育の中で、ああしろ! こうしろ! と強制されて、その内容が身につくと思いますか? 社員を活かすのであれば「仕事=愉しいもの」に変えていく必要があります。

これは極論ですが、従業員にとって働くことの目的はまず「生きる糧を得る手段」が最初に来ているのではないでしょうか。しかしそれでは楽しくないのです。
同じ1日8時間働くのであれば、楽しくないと長くは耐えられないのです。そして耐えられなくなった時(自分の明るい将来が見えなくなった時)に、社員は辞めていくのです。

離職率に悩む経営者さんはその点を考えてみてください。いかに社員に楽しんでもらえる仕事にするか、です。
であるならば社員の教育費を、将来の業績に対する投資とだけ捉えるのではなく、その社員の在職中、及び退職後における「外部に対する会社イメージを良好に保つための広告宣伝費のひとつ」として考えることで、有効に使ってみてはいかがでしょうか。

今はSNSによって、顔の出ない投稿でいろいろと言われる時代です。実際に「転職会議」などの口コミサイトは、その口コミの信憑性はともかく、御社に応募する求職者の心に大きく響くでしょう。

何十万、何百万とかけてこれらの口コミを改修する会社もあるくらいです。それがどれだけのダメージになっているのか…
だからこそ、今いる社員を大切にすることで、そもそもこれらの悪評を最初から出ないようにすることが肝心なのではありませんか?

社員はいずれ辞めていきます

これは真実です。社員はいずれ辞めていきます。
どんなに社に貢献してくれている社員でも、遅くても定年などの会社が設けたリミットで辞めていきます。

もちろん定年まで行かずに辞めていく方も多い事でしょう。

①自分で設定した目的のために、新しい世界を求めて辞めていく方達。
②仕事や仲間、境遇、環境などに対して不平不満を感じて、辞めていく方達。
③パワハラなどのハラスメントの被害に遭い、又はリストラなどの会社の施策により、不本意ながらに辞めていく方達。

様々な理由で辞めていくのです。

①の中には、実は②③なのに「円満退社」にする為に、真意を隠して①のように見せかける方も多くいるのが事実です。
余談ですが、このことから「不本意な退職」を選択せざるを得ない方は、退職者全体の9割に昇るとまで言われています。

その辞めた人たちが、辞めた会社の事を外部で「どのように言う」か、想像した事はありますか? ないのでしたら是非、想像してみてください。
どうでしょうか。とても不本意な退職などさせてはいけないと思いませんか?

離職率を下げる、その数字だけを論争するのではなく、「不本意な退職を0にする」事がこれからの企業が考えるべき道だと思うのです。

先にも書いたように離職者が0になる事はあり得ません。ですが不本意な退職者は努力次第では0になります。
真の円満退職の方は外部の宣伝部長です。御社が対外的に好評であればあるほど進んで宣伝してくれますし、良い取引相手になってくれる頼れる存在になってくれますよ(^^)
この考え方はアルムナイにも似ています。

合言葉は「離職率を下げる」ではありません。
これからの合言葉は「従業員満足度アップ」なのです。その為の環境整備であり、その為の社員教育なのですから。社員教育を将来の広告宣伝費にするという提案の肝は、そこにあります。

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