「美」の定義は人それぞれ。
まだ行き付けの美容室が定まらない。
住んでいる地域の美容室はもう5回ほど転々としている。
わたしの目下の悩みは、どの美容師にお願いしてもショートカットにしてくれないことだ。
父親譲りのくせっ毛は美容師にとって厄介なようで、いつも「ショートカットはやめましょう」と諭されてしまう。たしかに肩ぐらいの長さならパーマっぽく仕上がるけれど、もういい加減飽きたし。長い髪の方が似合うよと言われても、わたしは幼少期からずっと、ショートカットが好きなのだ。
そして今日、6回目の賭けに出た。
ある美容室のサイトのスタッフコメントに「ショートカットお待ちしてます!!」の一言。しかも一番目立つであろう総括コメントのような場所にこの言葉。これは期待できるじゃんと思い、3ヶ月ぶりの今日、髪を切ってきました。
結論から言うと大正解。29歳の若店長は、まさかのショートカットマニア(!)だった。拒否されることなく(むしろ喜ばれ)髪の毛を30cmほど大胆にカットしてもらい、わたしは念願のショートボブになった。
彼直伝の髪にまつわる美容法は、いいシャンプーを使うことと、ヘッドマッサージを続けること。それだけで頭皮や髪の老化をかなり遅らせることができるそう。いいシャンプーは泡を乗せたまま5分待つ。汚れを落とすという概念ではなく、成分を頭皮に浸透させて栄養を補うという目的で。
薬剤がどれほど頭皮にダメージを与えるかということも包み隠さず教えてくれた。最近はだいぶマシになったそうだけれど、その積み重なったダメージは、彼の手を見れば一目瞭然だった。
わたしも大手化粧品メーカーの化粧品を使っていたとき、肌が恐ろしく荒れたことがある。生活習慣の悪化でターンオーバーが乱れ、肌の防衛機能が弱っていたのだと思う。おでこのニキビは増え続け、使えば使うほどなぜか肌が砂漠のように乾いていく…。人の手でつくられた浸透剤は、私たちの肌細胞までも破壊してしまう恐ろしい成分だ。
そこからはオーガニックのことを学び、商品企画の仕事に活かした。自分の化粧品はいまも手作りしている。まだまだ模索中だけれど。。
日本はとくにオーガニックの定義が曖昧だし、防腐剤が入ってないからいいとか植物エキスが入っているから安心とは言い切れない。
「自然派」「オーガニック」「ナチュラルコスメ」「植物由来」「医薬部外品」「無添加」
そんな耳当たりのいい言葉だけが一人歩きして、私たちはいつも情報に踊らされている気がする。
ほんとうにいいか悪いか、正解か不正解かは別にして、自分のなかに美の定義をもつことは大事だな、と感じる。それは歳を重ねれば重ねるほど。
まだぼんやりとした私だけの美の定義を、もっと明確にしていきたいなぁと思う。
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