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#120 この方を一言で表すなら『誠意』だと思う。


この方のことは一度どうしても書いておきたい。感謝を述べ伝えたい‥‥と考えていました。
昨日「今日こそは」と思い、ご著書をこんな状況で読んでいた‥‥と前置きを書き始めたのですが、なんとも不要な説明ばかりになるのです。
どこまで行っても軌道修正できないでいたら、昨日はそれだけで一記事になって終わってしまいました。

私という人間は、本当に伝えたいことを書こうとすると、大切過ぎてなかなか核心にたどり着けないのです。
あまのじゃくというのでもなく、気持ちだけが先走るので、どう表現すればいいのかと困りだすのです。


さて、クリスマスプレゼントにもらったキンドルペーパーホワイトでご機嫌でサクサク読める喜びを噛みしめ、私が何を読んだのか‥‥


夢見る木幡山

その一冊目が福島 太郎さんの「夢見る木幡山」でした。

この本は昨年 (令和3年) 夏の太郎さんの周りでの出来事に基づいて書かれています。
この流行り病による不安定で息苦しい時代において、太郎さんは「未来のために行動する」ことを実践されている方と出会います。
この本はその方の勇気と覚悟から受けた感銘を、他の方に繋ぎたいという太郎さんの熱い想いに溢れています。

その本編で語られるその方というのが隠津島神社禰宜ねぎの安部章匡さんです。今の時代に合わせた神様への向き合い方を提案され、チャレンジする様子が語られます。

長らく日本へ行けていない私も、太郎さんとともに木幡山に旅をし、日差しに目を細め、木陰の涼しさを感じ、鳥の声を聴いていました。そんな新しい発見にワクワクしました。
本編は人の挑戦とそれを応援する豊かな循環を描くノンフィクションです。それを盛り立てるプロローグが天喜3年 (1055年) 、エピローグが3年後の康平1年を背景とした時代小説になっています。作家 福島 太郎の真骨頂をここに見ました。


note街では多くの方に慕われる太郎さん。誰かを応援したいというその真っ直ぐな気持ちを受け取った方も多いのではないでしょうか。

私の気づいていなかったところに、このような『誰の事だろう‥‥』と思うくらい身に余るお言葉をいただいていました。

事実を言えば、比べ物にならないくらい私のほうがお世話になっています。ですが、太郎さんのお言葉をお借りするならば、note街で互いに影響し合い、インスパイアし合っていると。

そんな循環のなかに自分があると考えたら、こんな幸せなことはないです。


元宮ワイナリー黎明奇譚


続いて、ずっと読めずにいた「元宮ワイナリー黎明奇譚」を読みました。

これで「黒田製作所物語」とも合わせて、3冊の郡山市とその周辺お話が出そろいました。
もうここまで読んだら、鈍い私でも太郎さんがその人生で何をなさろうとしているのかに気づき、

読みながら胸が震えたのです。

福島 太郎氏の表の顔、よしきくさんは勤務30年のベテラン公務員であることは多くの方から知られています。

太郎さんは、ご自分の残した功績に関してはサラリと、そしてシレっとされています。実在する郡山のワイナリーへの愛情を見るにつけ、実際にこのプロジェクトへの並々ならぬ貢献があったことは間違いのないことでしょう。


地元企業を応援する気持ち

郡山在住、一般社団法人グロウイングクラウド代表の三部香奈さんが、夢見る木幡山のあとがきの中で、「誰かを応援すると、必ず自分も応援してもらえる」とお話されています。
福島太郎さんが多くの方々から応援されるのは、彼自身の行動の根底が誰かを応援するものだからだと、この方式が繋がりました。

なさっていることはとんでもなく男前なのに、「本が売れていないのです」なんて、カッコつけたい人なら絶対に言わないことをサラリと書く。

本来は収益を全額地域のチャリティー事業に贈る太郎さんは、売れても売れなくてもすでにカッコいいのです。
なのにわざわざ自虐ネタで、ご自分の男前さを出さない謙遜さにはいつも教えられます。

「何を書いても最後は宣伝」と、Amazonのリンクを埋めてくるあたり、おちゃらけているようで、ここに太郎さんの無私の不屈さがあると思っています。


公務員という生き方

タイトルに、"この方を一言で表すなら『誠意』だと思う" と書きました。そして、福島 太郎さんはとにかく自分の『信念』に従う方なのだと思います。

『公務員とは職業ではなく「生き方」です』

by 福島太郎 https://note.com/tarofukushima/n/n8a90258aa9dd


これは、ヒポクラテスの誓いを立てた医師たちが、医療の必要な人が居ればどんな状況ででも治療に当たる覚悟で生きるのに似ていると思います。


太郎さんはよく「#かこに感謝し未来を夢見て生きていく」の一文を添えておられます。

「元宮ワイナリー黎明奇譚」「黒田製作所物語」「夢見る木幡山」を読み終えた私は、太郎さんが、作家人生をかけて地元で頑張る人たちを応援していく覚悟なのだと理解しました。
未来を夢見て‥‥

その太郎さんの「本気度」に雷に打たれたようでした。


ご自分でも「自分らしい活動をしながら地域に貢献したい」とおっしゃって、誰かの夢の実現に捧げられる人生。

公務員がこれほどの郷土愛を持って働けばどういうことになるかは、言わずと知れています。

実際に、前出の三部香奈さんは、このように証言されているのです。

郡山市の創業支援事業の予算を一気に三番近く増やしたり、それまでやったことがなかったような創業支援事業を、民間事業者の力を上手に活用しながら次々と成し遂げたことは、福島さんの公務員としての手腕だったのだろうと思う。

夢見る木幡山のあとがきより



郡山市に住む人は幸せだと思います。

日本の公務員の顔を持つ福島 太郎さんが、ただ地元に生きる人達を愛し、応援し、発信することの、なんと尊いことでしょうか。


私にとっての福島


2011年の3月に起きた東日本大震災。
私事になりますが、その月家族で計画していた日本への帰省はできませんでした。
力仕事もできない自分が被災地で役にたつことなどあろうか‥‥と悩みながらも矢も楯もたまりませんでした。同年8月に単身で来日しPTSG (心的外傷後ストレス障害) へのこころのケアを目的としたボランティアに参加しました。
仮設住宅のみなさんを訪れ、ハンドマッサージをさせていただきながら、ゆっくりと"共にある時間"をすごしました。重い口がぽつりぽつりとお話を始める。手を取り合い、抱き合う‥‥ほかに何ができただろう‥‥
当時、諸外国から最も危険な場所と恐れられていた「福島県」は、無残な岩肌や崩壊をむき出しにしていました。
こころが潰れそうだった私に「遠いイギリスからよう来てくれた」と手を取って迎えてくださったり、涙を流してくださった方々を忘れません。
原子力発電所があった福島が負った痛みはとうてい他者が語ってよいことではなく、あれから福島の様子に触れられないでいました。
そんな福島に今、明るい希望を見ることができてほんとうに嬉しいのです。

二度目に福島を訪ねる時は、復興の証しの逢瀬ワイナリーを是非見学したいです。そして桃のリキュールで天に向かって乾杯することが私の夢です。




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