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#5 メーガン妃を全力で守るヘンリー王子に見る「男はこうであるべき」姿



日本のあるメディアのニュースで下記のような見出しが目に入った↓

“対談の中で妃は、王子との結婚後に王室内で孤立し、助けを求めたが拒否されたと暴露。「もうこれ以上、生きていたくなかった」と不満を爆発させました”


メーガン妃に対してアンチの感情で見るなら、これを読んでもなんとも思わないのかもしれない。でも私には、「拒否された」と「暴露」「不満を爆発」させたという表現が悪意のかたまりでしかなく、ちょっと身震いがした。好き嫌いの感情なく、私がこのオプラ・ウィンフリーからの独占インタビューを観て、このような表現は出てこなかったからである。


ヘンリー王子とメーガン妃は、これまでずっと抑えられてきて、持つことのできなかった「声」をやっと上げたのだ。それも淡々と・・・
彼女のいう「心をむしばむ」ようなタブロイド誌の報道や、報道に対する英国王室の対応に人種差別があったと指摘しているのだ。

メーガン妃の
「ソーシャルメディアと、私がイギリス人ではないことが原因で、私に向けられたものや関心はとても大きいものだった。しかも残念なことに夫の家族が『これは私たちみんなに起きることなんだ』と言い、自分たちの体験を私のものと比べられると思っていた」というのは泣けるほどわかる。こんなの比べるレベルじゃないのだ。彼女だけ初めから異質なものと見られているのだ。
メーガン妃の示唆した、自分に関する報道は他のロイヤルファミリーに対するものと違うというのは、本当のことだと私には思える。さらにメーガン妃は「そして公に守ってくれる、特に間違ったことが報道されている場合には擁護してくれる報道対応チームもいる。それが私たちにはいなかった」。王室は公式にキャサリン妃をタブロイド紙の報道から守ろうとしたけれど、自分の場合はそうではなかったと語っている。これも本当のことだと思う。
「そして夫の家族が気楽に『私たちはみんな失礼な言い方に対処しないといけないんだ』と言うのだとしたら、失礼なことと人種差別はまったく違うと言いたい」

https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a35769898/duchess-meghan-waity-kate-210309/?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=post_tw_el_20210309&utm_content=link 参照

日本ではどのくらいかたよった報道がされているのだろう・・・

「自分がどこに嫁いだかを理解しない行いが多く目に付く」
「英王室は勿論、日本の皇室にこんな女性が嫁いだらと考えると、とても嫌な気持ちになる」
「英王室もメーガン妃をあらかじめ調べていればこうなる事はある程度予想が付いたはず。対策不足が否めない」云々。王室や皇室に入ったこともなく、外国でマイノリティーとして生きたこともない人に、何がわかるのだろう?

英国王室に嫁いだのだから、公務や立場の大変さに関しては、少し学習すれば想定できたことだ、英国王室に嫁ぐということを承知でアメリカから来たのだから、「今になってごちゃごちゃ言うな」とか、「くだらねえ」という意見がTwitterで並んでいた。
・・・なんだか胸が苦しくなった。

どこに行ってもメディアの注目を集め、まるで自我の強いキャラクターのように報道されながら、実はパスポートや運転免許証、鍵を自分で保管することすらも認めてもらえなかったなんて、手かせ、足かせをはめられているような人生ではないか。
メーガン妃は過度の注目を浴びるなか、(自殺に関する)“現実的な、恐ろしい” 考えを持つようになっていたという。そのことを王室メンバーの「最も高位の立場にいる人たちのひとり」に伝え、メンタルヘルスの専門家の助けを得ることができないかと相談したところ、妃は王室職員ではないから「できない」と言われたのだ。

メーガン妃の受けてきたレイシズム(人種差別 )はとてもリアルなことなのだ。それにレイシズムというのはものすごく微妙なカタチをしている。それはマイクロアグレッション( 小さな攻撃 )と呼ばれる、見方によっては何も問題がないよう見えてしまう、当人にしかわからない肌感覚なのだ。

これが王室レベルでの話だからその闇はなお深いと思う。


英国社会があのインタビューにショックを受けながらも、レイシズムが人に与えるダメージをもっと考えるきっかけになっていけばいい。私はそう期待もしている。

恵まれているようにみえる人も、有名人も、誰だって、もう生きていくのがつらすぎると思うことはあるはず。生身の人間だもの。他人からみて強そうに見えていても助けが必要な人がいたって何も不思議ではない。

助けて!と言っている人に取り合わなかった王室の責任は重いと思う。その時の本人は言うまでもなく、同じ気持ちでいる人にも絶望感を与える。

私はヘンリー王子とメーガン妃の勇気に力をもらった。

英国王室のことを、そこで育ったヘンリー王子が “toxic environment of control and fear”(コントロールと恐れに支配された毒の環境) と呼んだのだ。
中にいる人間が、正しくないことに声を上げない限り、王室は変わっていかない。

ダイアナ妃の悲劇からも英国王室の体質は変えられなかったのだ。


妻と子供たちを守るというヘンリー王子の男気を、きっとおかあさんは天から応援していると思う。

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