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琴線に触れた言葉

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とっても個人的に読んでグッと来た、時には泣いた、そんな大切にしておきたい投稿を集めました。
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2020年12月の記事一覧

群盲は象を撫でる

群盲は象を撫でる

照明が落ちた部屋の隅で、うす青く光るディスプレイを一人で眺めている。窓の外には冷たい大気が満ち、月はなく星々だけが漆黒の空にまたたいている。

待ちに待った夜が来た。

昼間の喧騒は終わり、自分の中に渦巻く星雲を静かに見つめ、そこから言葉を紡ぐのだ。

取り込んで畳んでない洗濯物は小山になっている。
洗ってないままの食器はシンクに放置されている。
開封したい郵便物もテーブルにある。

でも、心は乱

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