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日本のGDPがドイツに抜かれる。みんなが見落としているとある原因

最近、残念なニュースが飛び込んできました。
「日本のGDPが4位に落ちた」
インドか、思ったより早かったな…と思ったのも束の間。抜いたのはドイツでした。
人口の多い新興国に抜かれるならまだしも、国土面積も人口も少ない先進国ドイツに抜かれるのは予想外な人も多いのではないでしょうか。
今回はGDPが伸びず停滞する日本について、一般とは違った視点から原因を探りたいと思います。


日本のGDPがドイツに抜かれて4位転落

まずGDPとは何の数値でしょうか?

GDPとは

GDPは経済規模を示す指標の1つで、国内で1年間に生産される商品やサービスの付加価値の総額を示します。つまり国内でどれだけの利益・儲けが生まれたかを示す値ですね。
「前年比○%増加/減少」のように、経済成長を測定する際にもGDPは使われます。

世界2位の時代もあった

日本のGDP世界ランキングですが、小杉の認識ではこんな感じです。

  • 小学生の頃(2005年くらい)は受験で「日本は世界2位の経済大国」と教わる

  • 中学生の頃(2010年くらい)に中国に抜かれて3位転落

  • 最近ではそろそろインドにも抜かれるかと予測されていた

ドイツに抜かれて4位転落というニュース

そんななか、2023年のGDPはドル換算でドイツに抜かれて4位になるというニュースが飛び込んできました。おいおい、インドじゃなかったのかよ。

上記2カ国は人口が14億人と多いので、仕方ないかなと思っていたのですが…
ここで日独の国土面積と人口を比較してみましょうか。

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
& 日本 & ドイツ \\ \hline
人口(人、2022年) & 12,510万 & 8,400万 \\ \hline
国土面積(平方キロメートル) & 37.7万 & 35.1万 \\ \hline
\end{array}
$$

意外と面積は同じくらいなんですね!ただ人口は約1.5倍日本が多いといったところです。
これで生み出す利益が同じになったのは個人的にショッキングな出来事でした。

原因はたくさんあるし、みんな気づいている

GDPが低迷する直接的な要因は「円安」です。記事でも、

物価高を背景に積極的に利上げに動いた欧米諸国と大規模な金融緩和策を維持する日本の金利差を背景に、外国為替市場では円安が進んでいる。

出典:Bloomberg

とあり、ドル換算すると日本は不利になるのは当然でしょう。
しかし、そうなった根幹には、金融緩和を続けても成長しない日本経済があります。
そして成長しない原因はたくさんありますし、読者の方で思い浮かぶものはほとんど正しいはずです。

5分で日本が低迷する理由を列挙すると

ざっと以下の理由が挙げられます。

  • 少子高齢化

  • 賃金が上がらない

  • 増税

  • イノベーションが起きない

  • 生産性が悪い

  • 格差社会

  • 個人の貯蓄と企業の内部留保

  • 金融業で遅れをとっている

  • 工場の海外移転

  • 既得権益や規制が多い

しかし街を出歩いてみると、あちこちで再開発はされているし、外国人観光客は増えているし、もう少し伸びていても良いように感じてしまいます。
その中で、これは新しい視点だなと思った記事がありました。

奪い合いのビジネスしか盛り上がっていない

高層ビルの建築を見ると経済が低迷してるように思えない

今も東京を中心に再開発が進んでおり、あちこちで300m級の高層ビルが続々と生まれています。しかし、ビルはハコモノ。中身になる企業が生まれない・育たないでは、人々が経済成長を実感できないのは当然といえます。それでもビルを建てたらテナント料を稼ぐために、他所のビルから企業を誘致するしかないのが現状です。

現に渋谷と六本木ではIT企業の取り合いになっていたり、汐留では企業の移転でビルがもぬけの殻になっていたりするようです。

最大の問題は、今の日本ではこうした奪い合い型のビジネスしか活性化していないことである。

出典:Newsweek日本版

競合を避けることは経営の基本といわれます。奪い合いや競合の多い業界では広告費が余計にかかり、本来必要な投資が行えない。つまり、従業員や消費者にお金が回らないし、新たなものを生み出すこともできません。そして、利益も少なくなるのでGDPが伸びないのは自明の理。

だからこそ「差別化が重要」とよくいわれます。でも差別化って難しく、自社では差別化しているつもりでも、社会全体から見たら五十歩百歩。結局、奪い合い型のビジネスをしているという企業が多いのも現実です。

もちろん、新たに超高層ビルを建てるのが悪いわけではないですし、今回は実態が奪い合い型ビジネスになっている一例として挙げました。当然、しっかりとベンチャー企業を育てる or 外国の企業を誘致できれば、良いわけですので。

会社経営してるけど、新規ビジネスを創るのってかなり大変

経済が縮小するなかで理想は、企業は新規ビジネスを次々に生み出し、成長させることです。
でも言葉では簡単なのですが、とっても難しいことなのです。。
曲がりなりにも1年間経営者をやってきて、現実を知りました。

小杉が代表を務めるみずかげ製作所は、マーケティングに使う記事制作をメインに売り上げを立てている(というか、知り合いから案件をいただいている)会社です。この領域ってめちゃくちゃ競合が多いのですよ……
だから差別化をすべく、いろいろ試行錯誤はしてきました。

  • 資料デザイン+マーケティング支援プラン

  • DX支援+マーケティング支援プラン

  • クラウドファンディング+製品PRサポートプラン

など、いろいろ作ってはみましたが、利益を出すにはまだ遠い水準です。そのため、既存の奪い合いのなかに身を投じざるを得ない。これでも利益は出せますからね。
典型的なイノベーションのジレンマではないか!

編集後記

日本の話をしていたら、自社の経営の話になってしまいました。でも状況や今後すべきことって似てるなと思うのです。
当然、今のままではいけないと思います。だからこそみずかげ製作所は今のままではいけないと思っている。

だからこそ日本も、
今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている。

今回もありがとうございました。また次回お会いしましょう。

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