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無題10_痛み

夜に沈む
「飛び降り」「入水」「首吊り」「出血多量」
よくあるお話のようにただ光に手を伸ばしてみた。
光と言ってもLEDであるし、別に、意味なんてないし、
どちらかというと蛍光灯の無機質を超越した如くの冷たい明かりのほうがボクに何かしらの感情をもたらしたのだろう、なんて。
外れているボクの無意味な憧れ。
普通になりたいと、願ったことはない。
と、言ったら閻魔さんに舌を抜かれてしまうな。
「痛いのは、嫌だな」
それは、とても今更で、
嘘でできたボクそのものを考えてみた時、私にきっと閻魔さんの前での安息はないなって思いが生まれる。
別にこのまま生きていくこと自体はどうでもいいのだけれど。
死後、つらいのはなんだか御免被りたい。上から目線にそう目を細める。
そもそも痛いのがいやとかどうとか腕を切って愉悦に浸っているボクが言えたことではないということ、重々承知している。
「しぬほどにいきたい、よーな、死にたいような。」
支離滅裂な言葉を紡ぐ。
発した言葉は物騒で、矛盾している。
「苦しいのも嫌、だ、けど、」
薬を飲んだときの不味さを思い出す。
もう、苦しさを「苦い」気持ち悪さで誤魔化して、別の苦しみに耐えている時点で、もう、色々と終わってしまっているのだろうな
と、考える。
星に心はときめくし、晴れを見て、まるで天の輝きや熱がボクを焼くように思い、夕日を見て綺麗と思って泣きたくなるけど、
豪雨を前にした愉悦、高揚、乾き、息苦しさ、憧れはきっと、少し、見苦しいものなのだろうな
雨降るような。
晴れやかさとは程遠い感情、不透明な輝き。
「死にたい」
寝ているとき、床に広がり流れる髪が好きだ。
それと同時にボクを受け止める地が憎くなる。
「クラゲ」
くらげをなんの躊躇いもなく好きといえた瞬間、
ぼくはどうなるのであろうか。
くらげを嫌いになれたなら。死ねるのだろうか。
そもそも僕にとってくらげとは一体なんなのか。
どこまでが本当でどこまでが偽りなのか。
そこに境界なんてなかった。
それが、たまらなく痛い。


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