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【恋愛小説】私のために綴る物語(18)

第四章 うたかたの京都(3)

「さぁあおい、こっちを向きなさい。ゲームの始まりだ」

 その言葉に合わせて、多香子はきよはるの方に向いた。またキスをするときよはるの手は背中を撫で回し始めた。そして唇は首筋をたどり、胸元で止まった。タオルを外し、胸の谷間に顔を埋めてから背中の手を胸に当てていた。
 胸の膨らみに手を当てて揉みしだくと、多香子の顔が歪みだした。声が出るのを必死に抑えていた。しかし、ふくらみの頂点を避けて揉まれていると、その頂点の蕾は一層敏感になっていた。そこを舐められ、しゃぶられると、抑えきれず声が出て、体も明らかに反応していた。

「声が聞こえたような気がしたが、あおい。まだまだ始まったばかりだ。私の上に背中を向けて座るんだ」

 ベッドのヘッドボードに体を預けて、足を伸ばしているきよはるが悪魔に思えた。これからのあの手に抗うことなどできないのに。

「お前の乳房は柔らかくて、本当に気持ちがいいな。もっともっと可愛がってやる」
 それでもその腰の上に背中を向けて座ると、それだけでも体は感じていた。首の付け根を執拗に舐められ、胸は揉まれ続けた。時々手で顔を後ろ向きにされると、舌を入れられて口の中をかき回され、塞がれた。胸への愛撫を片手ですると、空いた手は脇腹をたどり、太ももの内側を優しくなでたかと思うと、強くもんだ。
 多香子は声を上げそうになると、手で口を塞ごうとした。手を顔に当てようとすると、きよはるは唇で塞いでいた。

 もう多香子の体の中はふるえが止まらない。

 股関節のあたりを押したあとは、下の茂みの中を撫で回し始めた。触れるか触れないかの感覚に、体が波を打っていた。

 一番感じやすいところに指が差し込まれると、多香子には勝つ見込みはなくなっていた。声を我慢していた分、体の中に溜まっていた熱が昂ぶらせていた。それが指を抜き差しすることで、溢れ出すのを止めることなどできなかった。多香子の体は大きく波をうち痙攣をすると、ううんと声も漏れて形をなくしていた。

「今度は私を見るんだ」
 そう言って、体を持ち上げて、今度は対面をしていた。
「そうそれでいい。肩に手を置きなさい」
 腰が砕けないように、腰には足を巻いていた。まずキスをして、口をふさぐと、胸の蕾にも、もんだり、爪で弾いたりと刺激を与えていた。そのたびに体は多くのけぞり、刺激から逃げようとしていた。それを空いた手と腰の足で抑え込まれると、悲鳴のような声が出ていた。

 それを聞いて、満足そうな笑みを浮かべたきよはるは下の茂みに手をやって、前後に激しく動かし攻め立てていた。また体を大きく動かして、果てそうになった多香子は、きよはるにしがみつくしかなかった。
 ぼうっとしていく頭で、どれだけのお仕置きが待っているのか、何をさせられるのかと思っていた。きよはるはそんな多香子を優しく抱きしめていた。

「あおい、上等だが、約束を守れなかったな。まさか手だけで何回もイクとは。お前は本当にいやらしく、はしたない。だから、お仕置きをする。いいかい、お前はわたしを受け入れなくてはならない。自分から求めることは同じく許さない。今度は声はあげていい」
「大丈夫です。ピルを飲んでいますから。でも……」
「私はゴムを着ける。安心していい」

 そうして、きよはるは避妊具を着けてみせた。そして抱き寄せてキスをした。
 多香子はここに来た本当の目的が、果たされることに喜びを感じていた。


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