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2020年IR優良企業賞からみるインベスターリレーションズ Part2 【PR研究所086】

前回に引き続き、2020年IR優良企業賞からインベスターリレーションズについて調べてみました。

IRとは

インベスターリレーションズ(IR)とは何なのでしょうか。おさらいです。

 SMBC日興証券によると、

IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)とは、企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどを広報するための活動を指します。具体的な活動としては、ホームページ上における情報開示だけでなく、ディスクロージャー資料の送付や、決算説明会や各種説明会を開催したり、工場や施設などの見学会を実施したりするなど、企業によっては独自のIR活動を行っているところもあります。日本では、1990年代後半あたりから積極的にIRに取り組む企業が増えてきました。

 一見すると難しそうですが、要は企業から投資家に向けたコミュニケーション活動のことをIRと呼びます。

 投資家はいい投資先を探しているわけですが、そのとき企業のさまざまな情報をもとに投資するかしないかの判断を行なっています。そこに発生するコミュニケーションということですね。

2020年IR優良企業賞 〜ダイキン工業〜

 日本IR協議会は、毎年1回優れたIR活動を実施している企業を会員企業の中から選んで賞を送っています。

 2020年はダイキン工業、ソニー、丸井グループの3社が大賞を受賞しました。実際の事例から、どんなIRがすばらしいのかを探ってみます。

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ダイキン工業
2019年・2017年優良企業賞

経営トップがIRに積極的に関与し、継続して情報開示レベルを引き上げている。コロナ下で開催した決算説明会では、危機対応や収束後を見据えた事業戦略を説明し、高い評価を得た。先行き不透明な状況の中で業績予想を開示し、早めにネガティブ情報を伝えようとする姿勢も評価されている。事業環境や投資家の関心を踏まえて開催する拠点見学会や事業説明会も充実している。ESG説明会などを通じた中長期の企業価値向上への意志も明確である。

評価ポイントをまとめると

・経営トップがIRに積極的に関与している
・情報開示レベルが高い
先行き不透明な状況でリスクとなる情報でも公開する
ネガティブ要素を早めに伝える
・投資家サイドのニーズに合うような見学会&説明会をしている
・中長期で目指すポジションを明確にしている

などがみられるのではないでしょうか。

 特に注目すべきなのは、コロナ禍で経営の先行きが見えにくい状態でもなるべく真摯にコミュニケーション活動を行なっていることだと思います。

 投資家に出資をしてほしいと自分本位な発想で動いてしまうのではなく、リスクとなりそうな情報も早めに出すこと&ネガティブな側面も開示しています

 

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