見出し画像

ゴールドマン・サックス「女性役員のいない企業とは取引しない」と宣言 【PR研究所079】

概要

ゴールドマン・サックスのCEOは、2020年1月に行われたダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)にて「女性など、多様な取締役メンバーがいない企業に対して、上場の幹事を引き受けない」といった宣言をしました。

 最近日本では、東京オリンピックの森元会長の発言をめぐる一連のできごとがありました。重役における女性の数が少ないことはあらゆるジャンルで問題になっているかと思います。

 ゴールドマン・サックスCEOのDavid Solomonが宣言し、大きな話題を呼んだこのできごとをPR目線で考えてみます。

課題・背景

①女性役員が少ない。S&P500(アメリカの代表的な上場企業500社)における、女性従業員は45%なのに対して女性役員は19%である。

参考|みずほ総合研究所「米国における女性活用の実態」

②ゴールドマン・サックスが、女性役員をはじめ多様性のある企業を応援するリーディングカンパニーとなっていきたい。

ターゲット

企業の経営陣
投資家
金融グループ
すべての働く女性たち

目的

①女性役員を増やす

②ゴールドマン・サックスが、女性役員をはじめ多様性のある企業を応援するリーディングカンパニーとなる

施策

 ダボス会議で「女性役員のいない企業とは取り引きしない」という趣旨の宣言をすることで話題を生み出し、ゴールドマン・サックスの立ち位置を明確にしました。

 女性役員をはじめ多様性のある企業を応援するリーディングカンパニーへと、本気で動き出していることを発信しています。

 複数のメディアにもCEO本人が出演するなど、「なぜなのか?」を自ら説明しています。国が変わって日本では、副会長のキャシー松井さんが説明しています。

結果

宣言からまもないためか、数字としての結果はなかなか出てきませんでした。。。見つけたら教えてください!

メディアに取り上げられてる数はめっちゃ多そう。

PRの事例として注目すべき点


 PRの事例として注目すべき点は主に1つあります。
 それは、ソーシャルグッドな取り組みが表面上なものでなく、会社の中核に置かれている点です。「このようにしたい!」とビジョンを掲げるのはいいですが、実践に落とし込むのはなかなかハードルの高いことかと思われます。

 この思い切りの良さには、短期的なロスはしょうがないから長期的にどっちがいいのかを考えようマインドが大事なのかなと思います。


追記:さまざまな意見
今回の「女性役員のいない企業とは取引しない」に関連して、他の意見も載せておかないとフェアじゃないと考えたのでURL貼っときます。

Harvard Business Review「ゴールドマン・サックスの多様性推進策が的外れな理由」

One Career「ゴールドマン・サックス女性社員が語るリアル」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?