余った農作物で口座が作れる&フェアな価格で買い取られる!「AgroBanking」【PR研究所084】
概要
バングラデシュは現在経済成長の真っ只中ですが、金銭的に苦しい生活を送っている人たちも多数います。貧困状態にある農民の数が多いことも問題です。
そこで、バングラデシュの大手銀行UCBと小売チェーンShwapnoは農民のためのちょっと変わった銀行口座「AgroBanking」をつくりました。
農民が1日で売り切れなかった余りの農作物を窓口に持っていくと、フェアな価格で買い取ってもらうことができ、その分口座にお金が振り込まれます。買い取られた農作物は、全国のShwapnoの店頭に並ぶことになります。
課題・背景
①せっかくの農作物が余っているフードロスが発生している。
②貧困状態の農民が多く、銀行口座の開設数も低いため社会問題になっている。
ターゲット
貧困状態にある農民
スーパーの消費者
目的
①本来捨てられてしまうはずの農作物を、スーパーであるShwapnoが買い取ることで仲介業者などを挟まず商品を仕入れられる。フードロスの解決につながる。
②農作物によって経済力や信用力を補い、アンバンクトを減らす。(口座数を増やす。)
※アンバンクト=銀行の口座(ネット銀行の口座を含む)を持っていない人たち。2018年世界で4人に1人がアンバンクトだと言われている。ーNRIより
インサイト
農作物をちゃんと売って自分の利益を上げたい
口座が作れるなら作りたい
どうせ買い物するなら素敵な取り組みをしているShwapnoで買いたい
(口座をつくった農民。動画よりスクショ)
施策
農民が1日で売り切れなかった余りの農作物を窓口に持っていくと、フェアな価格で買い取ってもらうことができ、その分口座にお金が振り込まれます。振り込みはSMSに記録されていくそうです。
買い取られた農作物は、全国のShwapnoの店頭に並ぶことになります。こうして農作物はその場で捨てられることなく、再び市場に出ることとなります。
結果
greenzによると、58トンもの農作物が無駄にならずに済んだそうです。
PRの事例として注目すべき点
PRとして注目すべき点は主に1つあります。
それは、有効なパートナーシップが取られている点です。自社が全てやるという発想ではなく、大手銀行UCBと小売チェーンShwapnoそれぞれの良さを生かそうという発想です。
金融と小売という一見すると別のジャンルですが、根本となっている社会課題をまとめて解決できるチャンスが隠れていました。
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