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SDGsなPR

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【PR研究所】のなかでSDGsなPRをいくつかピックアップ
運営しているクリエイター

#PR研究所

生理用品タンポンの税率だけ高いのはおかしい...!ドイツの法律を変えたクリエイティブなPR 【PR研究所077】

概要 ドイツには「タンポン税」が存在することをご存知でしょうか。  ドイツを含む諸国が、生理用品タンポンを贅沢品として定めており、通常の税率7%に対してなんと19%もかかっていたのでした。ドイツは日本よりも比較的「大きな政府」として動いてきた歴史があります。ゆえにもともと税金は高めですが、タンポンだけを贅沢品とするのはちょっとイワカンありますよね。  そんな中、ドイツの衛生用品ブランドのThe Female Companyは、この問題について広く知ってもらい、現状を変える

ホールスタッフがみんな認知症な「注文をまちがえる料理店」 【PR研究所023】

 2017年、ホールスタッフがみんな認知症の「注文をまちがえる料理店」がオープンしました。  この料理店は名前の通り、スタッフが認知症の方々で構成されており、ときどき注文を間違えます。  このキャンペーンの仕掛け人は元NHK ディレクターの小国士朗さんで、認知症の理解促進と「ま、いっか」という寛容なきもちをみんながもてるようにしたいという目的のもと始まりました。  小国さんは「世界的にも認知症は誤解されいてることがある。認知症になったら何もできなくなってしまう(と誤解さ

黒いユニフォームを引っ張るとレインボーに。様々な差別に立ち向かう#DiversityIsStrength 【PR研究所054】

 AIGジャパンがスポンサーしている、ALL BLACKS(ラグビー・ニュージーランド男子代表)とBLACK FERNS(同女子代表)は、さまざまな国・人種・個性が集まったチームです。  同チームは、一見すると黒いけど引っ張るとレインボーになる特殊素材を開発し、自身のコンセプトを体現するものとしてユニフォームに取り入れました。その名も、「DIVERSITY IS STRENGTH(多様性こそ強さ)」。  (Axis web magazineより)  AIGジャパンは、「

女性の地位向上のために立ち向かう。ウォール街に設置された銅像、フィアレスガール【PR研究所057】

 高層ビルが立ち並ぶアメリカの金融街に突如置かれた「少女の銅像」。名前をフィアレスガール(=恐れを知らない少女)と言います。  この銅像は、投資会社SSGAが運用する、女性役員の比率が高い企業限定の投資信託ブランド「SHE」のキャンペーンでした。  アメリカの権威的な象徴として有名な「雄牛の銅像」チャージングブルに対して立ち向かうように「少女の銅像」は設置されました。  3月8日の国際女性デーに合わせて、アメリカの金融が集まるウォール街へ置かれたこの「少女の銅像」は、い

障害を持っていても楽しめるゲームコントローラ マイクロソフトの「Changing the Game」【PR研究所062】

 eスポーツや室内の遊びなどの文脈でますます盛り上がりを見せるテレビゲーム業界。いつものようにテレビゲームで遊ぶのはやっぱり楽しいですよね。  しかし、その「いつも」は誰しもが平等に得られているとは限りません。マイクロソフトは、障害を持っていても遊ぶことができるゲームコントローラを開発し、機会の平等を目指しました。  コントローラーの名前は「Xbox Adaptive Controller」。カスタマイズできる設計になっており、障害を持っている人でもレベルに合わせて使いや

賃金の男女格差をなくそう。オーストラリアの銀行が子供たちのお小遣いで実験 【PR研究所071】

概要 オーストラリアの銀行ANZは、国際女性デーに合わせて賃金の男女格差を無くそうというキャンペーンをはじめました。公開されたムービーは、男女ペアの子供たちが家の手伝いをしたあと、女の子には男の子よりも少ない金額を渡すというものでした。  これは大げさではなく、現代で実際に起こっていることを象徴しています。子供たちのリアクションや意見を収めたムービーは#equalfutureのもと議論を巻き起こしました。 課題・背景①賃金の男女格差が存在し、その問題自体なかなか顕在化しき

パラオ入国には誓約を。環境のために1億円の罰金を設けて守る 【PR研究所080】

概要 パラオは大自然に囲まれた、数少ないユネスコの世界複合遺産登録35カ国のうちの1つです。海や植物などの美しい景観に、毎年たくさんの観光客が訪れていました。  しかし、同時に観光客による自然環境の汚染もみられるようになってきました。このままではパラオの豊かな自然環境が破壊されてしまいます。  そこで、パラオ政府はパスポートに「自然を汚さない」ことを誓約するスタンプを導入。入国するときに押させるスタンプで、パスポートが誓約書に早変わりするのです。もし守れなかった場合は約1

家事だけしてるって古くない?リカちゃん世界のジェンダー観を更新した、リカ ワールドツアー 【PR研究所076】

概要 日本を代表するおもちゃといえるリカちゃん人形。2007年には40周年を迎えました。リカちゃん人形はそのときそのときの時代を反映してきた歴史があります。(東洋経済オンラインにはその歴史を取り上げた記事も)  そんなリカちゃん人形ですが、当時のビジュアルイメージや遊び方にジェンダー的な遅れがあるのでは?という視点から出発し、リブランディングを行いました。  「リカ ワールドツアー」と題されたこのプロジェクトは、リカちゃんに家事をやめてもらい世界中を旅させるという、自立し

大量消費ではなく、服を「修理」して大切に着る。リペア産業をはじめるパタゴニアのWorn Wear 【PR研究所045】

 ファッション業界で問題とされている、大量生産に大量消費。ファストファッションが席巻する現代へ「まった」をかけるリペア産業をご存知でしょうか。  服を「修理」することで大切に着ていこうというパタゴニアのWorn Wear。服は「着るもの」以上の意味をもち、人生をともにする「パートナー」的な存在であるというキャンペーンです。  キャンペーンWorn Wearでは、みんなの服にまつわるストーリーが展開されています。  公式HPでは、共に冒険をした服や、特別に思いのこもった服

ポーランドIKEAが「売らないブラックフライデー」を実施 【PR研究所041】

 11月のブラックフライデーでは毎年さまざまな企業がこぞってセールを始めます。  ときにはセールという名の在庫処b... いえ、何も言ってません。  2019年11月、そんな最中ポーランドのIKEAは「売らないブラックフライデー」を実施し注目を集めました。  “MIGHT BE USEFUL” Collectionと題されたこのキャンペーン。必要ないものを余計に買ってしまうことをやめ、モノを大切に扱おうというメッセージのもとに始められました。  IKEAの商品をセール