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SDGsなPR

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【PR研究所】のなかでSDGsなPRをいくつかピックアップ
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#SDGs

生理用品タンポンの税率だけ高いのはおかしい...!ドイツの法律を変えたクリエイティブなPR 【PR研究所077】

概要 ドイツには「タンポン税」が存在することをご存知でしょうか。  ドイツを含む諸国が、生理用品タンポンを贅沢品として定めており、通常の税率7%に対してなんと19%もかかっていたのでした。ドイツは日本よりも比較的「大きな政府」として動いてきた歴史があります。ゆえにもともと税金は高めですが、タンポンだけを贅沢品とするのはちょっとイワカンありますよね。  そんな中、ドイツの衛生用品ブランドのThe Female Companyは、この問題について広く知ってもらい、現状を変える

大手スーパーが「闇市」を開き「違法」になっている野菜や果物を集めたら法改正につながった【PR研究所006】

 ヨーロッパの大手スーパーマーケット「Carrefour(カルフール)」が2018年に実施したキャンペーン「Black Supermarket(闇市)」。これはスーパーの一角に「違法」とされている野菜や果物を販売するというタイトルだけみたらびっくりするようなキャンペーンだ。しかしこれには、厳しすぎるEUの農作物に関する法律へ意義を唱える目的があった。  当時のEUは、農作物の種類やサイズの制限がかなり厳しく廃棄処分や流通不可能になっているケースが多発しており、農家にとって負

太平洋に浮かぶたくさんのゴミを「国家」として申請「Trash Isles」 【PR研究所009】

 僕たちが生活する上で必ず出てしまうプラスチックのゴミ。ポイ捨てや投棄されたゴミは海に流れ着いてしまうケースもあります。そして太平洋に浮かぶゴミは、今やフランスの国土と同じ大きさ(!)にまでのぼるそうです。  それを受けた海洋環境NPO「Plastic Oceans」は、問題を認知させるためこの太平洋に浮かぶプラスチックゴミの島を「Trash Isles(=ゴミ諸島)」という「国家」として正式に認めるよう国連に働きかけました。  「ゴミの島を国連に加盟させてしまおう」とい

道に転がる2000体のテディベア。途上国の子供達が抱える危険性を訴えるアンビエントPR 【PR研究所013】

 2018年、イギリスの街中に2000体ものテディベアが転がった状態で放置されました。HOPEと名づけられたこれらのテディベアは、発展途上国における子供達の「遊ぶ時間」が失われていることに対して問題提起をする目的で放置されたのでした。  仕掛けたのは国際協力NGOのWorld Visionで、世界で数十万人にのぼるという、奴隷の危機にさらされた子供達の抱える危険性を訴えました。  テディベアの左腕のタグには、危機にさらされている世界中の子供達についてや奴隷についての問題提

賃金の男女格差をなくそう。オーストラリアの銀行が子供たちのお小遣いで実験 【PR研究所071】

概要 オーストラリアの銀行ANZは、国際女性デーに合わせて賃金の男女格差を無くそうというキャンペーンをはじめました。公開されたムービーは、男女ペアの子供たちが家の手伝いをしたあと、女の子には男の子よりも少ない金額を渡すというものでした。  これは大げさではなく、現代で実際に起こっていることを象徴しています。子供たちのリアクションや意見を収めたムービーは#equalfutureのもと議論を巻き起こしました。 課題・背景①賃金の男女格差が存在し、その問題自体なかなか顕在化しき

パラオ入国には誓約を。環境のために1億円の罰金を設けて守る 【PR研究所080】

概要 パラオは大自然に囲まれた、数少ないユネスコの世界複合遺産登録35カ国のうちの1つです。海や植物などの美しい景観に、毎年たくさんの観光客が訪れていました。  しかし、同時に観光客による自然環境の汚染もみられるようになってきました。このままではパラオの豊かな自然環境が破壊されてしまいます。  そこで、パラオ政府はパスポートに「自然を汚さない」ことを誓約するスタンプを導入。入国するときに押させるスタンプで、パスポートが誓約書に早変わりするのです。もし守れなかった場合は約1

家事だけしてるって古くない?リカちゃん世界のジェンダー観を更新した、リカ ワールドツアー 【PR研究所076】

概要 日本を代表するおもちゃといえるリカちゃん人形。2007年には40周年を迎えました。リカちゃん人形はそのときそのときの時代を反映してきた歴史があります。(東洋経済オンラインにはその歴史を取り上げた記事も)  そんなリカちゃん人形ですが、当時のビジュアルイメージや遊び方にジェンダー的な遅れがあるのでは?という視点から出発し、リブランディングを行いました。  「リカ ワールドツアー」と題されたこのプロジェクトは、リカちゃんに家事をやめてもらい世界中を旅させるという、自立し

大量消費ではなく、服を「修理」して大切に着る。リペア産業をはじめるパタゴニアのWorn Wear 【PR研究所045】

 ファッション業界で問題とされている、大量生産に大量消費。ファストファッションが席巻する現代へ「まった」をかけるリペア産業をご存知でしょうか。  服を「修理」することで大切に着ていこうというパタゴニアのWorn Wear。服は「着るもの」以上の意味をもち、人生をともにする「パートナー」的な存在であるというキャンペーンです。  キャンペーンWorn Wearでは、みんなの服にまつわるストーリーが展開されています。  公式HPでは、共に冒険をした服や、特別に思いのこもった服