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SDGsなPR

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【PR研究所】のなかでSDGsなPRをいくつかピックアップ
運営しているクリエイター

2020年12月の記事一覧

パタゴニアの環境保全・投票運動「VOTE OUR PLANET」【PR研究所002】

 2019年7月21日参議院選の日、アウトドアブランドのパタゴニアジャパンは全ての直営店を休業し、従業員が投票へ行けるようキャンペーンを行った。  「VOTE OUR PLANET(私たちの地球のために投票しよう)」と題したこのキャンペーンの目的は、未来の地球環境のため、選挙に行く従業員のため、投票することの重要性を再考するためだ。このキャンペーンに併せた公式SNSの投稿には #私たちの地球のために投票しよう というハッシュタグも付いており賛同する投稿も多く見られた。  

大手スーパーが「闇市」を開き「違法」になっている野菜や果物を集めたら法改正につながった【PR研究所006】

 ヨーロッパの大手スーパーマーケット「Carrefour(カルフール)」が2018年に実施したキャンペーン「Black Supermarket(闇市)」。これはスーパーの一角に「違法」とされている野菜や果物を販売するというタイトルだけみたらびっくりするようなキャンペーンだ。しかしこれには、厳しすぎるEUの農作物に関する法律へ意義を唱える目的があった。  当時のEUは、農作物の種類やサイズの制限がかなり厳しく廃棄処分や流通不可能になっているケースが多発しており、農家にとって負

太平洋に浮かぶたくさんのゴミを「国家」として申請「Trash Isles」 【PR研究所009】

 僕たちが生活する上で必ず出てしまうプラスチックのゴミ。ポイ捨てや投棄されたゴミは海に流れ着いてしまうケースもあります。そして太平洋に浮かぶゴミは、今やフランスの国土と同じ大きさ(!)にまでのぼるそうです。  それを受けた海洋環境NPO「Plastic Oceans」は、問題を認知させるためこの太平洋に浮かぶプラスチックゴミの島を「Trash Isles(=ゴミ諸島)」という「国家」として正式に認めるよう国連に働きかけました。  「ゴミの島を国連に加盟させてしまおう」とい

道に転がる2000体のテディベア。途上国の子供達が抱える危険性を訴えるアンビエントPR 【PR研究所013】

 2018年、イギリスの街中に2000体ものテディベアが転がった状態で放置されました。HOPEと名づけられたこれらのテディベアは、発展途上国における子供達の「遊ぶ時間」が失われていることに対して問題提起をする目的で放置されたのでした。  仕掛けたのは国際協力NGOのWorld Visionで、世界で数十万人にのぼるという、奴隷の危機にさらされた子供達の抱える危険性を訴えました。  テディベアの左腕のタグには、危機にさらされている世界中の子供達についてや奴隷についての問題提

バナナに文章が...?フェアトレードを呼びかけるユニークなPR 【PR研究所016】

 カナダのスーパーに突如、文章が刻印されたバナナが販売されました。「Organic does not always mean fair trade.(オーガニック食品はフェアトレードとは限らない。)」などバナナの皮にさまざまな文章が書かれています。  これはクリエイティブエージェンシーRethinkが手掛けたキャンペーンで、バナナ業界の"闇"を告白して、フェアトレードを推奨しようというものです。Stamp out Unfair Bananasと題されました。  「Many

ホールスタッフがみんな認知症な「注文をまちがえる料理店」 【PR研究所023】

 2017年、ホールスタッフがみんな認知症の「注文をまちがえる料理店」がオープンしました。  この料理店は名前の通り、スタッフが認知症の方々で構成されており、ときどき注文を間違えます。  このキャンペーンの仕掛け人は元NHK ディレクターの小国士朗さんで、認知症の理解促進と「ま、いっか」という寛容なきもちをみんながもてるようにしたいという目的のもと始まりました。  小国さんは「世界的にも認知症は誤解されいてることがある。認知症になったら何もできなくなってしまう(と誤解さ