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【30代からのキャリアリセット】外資系投資銀行を辞め、門外漢の医療系ベンチャーで挑戦する理由

はじめまして。医療系スタートアップUbie(ユビー)でBiz Dev(事業開発)として働いている中川瑞穂と言います。

電話口で「Ubie株式会社です」と言うと「え?ウビ?ムビ?」と百発百中聞き返されるあたり、弊社の認知度がまだまだという証拠なので、私の話に入る前に、ちょこっと「Ubieとはどういう会社か」について説明させてください。

Ubieってなにをやってる会社なの?

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Ubieでは「AI問診ユビー」という製品を主に扱っています。病院を受診した時に、受付で紙の問診票を渡されて、今日はどういった症状で来院したか・過去の病歴・生活習慣などを記入しますよね。あの紙の問診票が、患者さんの携帯電話やタブレットに置き換わったものと思っていただくとわかりやすいかと思います。

コロナウイルスの感染の広がりによって、接触感染に対するリスク感応度(紙を介した感染リスク)が高まったり、院内での滞在時間を減らしたい(問診は家で済ませたい)というニーズが高まったり、患者さん自身の意識・行動変容が起こったことにより、AI問診ユビーへの需要は急速に拡大しました。

「医療体験をDXしている」なんていうともっともらしく聞こえそうですが、実は本質はそこではなく、紙をベースにした非効率な医療オペレーションによる医療従事者の方々の負を解消するというのが、Ubieが真に解決しようとしている課題です。

例えば、紙の問診票を、医師がイチからパソコンに入力し直さなくてはいけないという負。例えば、患者さんが問診票を適切に記入できず、医師が取りたい情報が取れていないため看護師が聞き直さなければいけないという負。正しい診察のために必要なことではあるものの、こういった一つ一つの手間の積み重ねが長時間労働や医療従事者の方の疲弊に繋がっているという事実は意外と知られていません。

医療業界が未経験だった私は、Ubieと出会う前まではこのような課題が存在していることすら知りませんでした。これ以外にも医療業界に横たわる課題は多種多様なものがあり、もちろんUbieで解決できるもの・解決できないものがあるのですが、しかし聞けば聞くほど・知れば知るほどその課題は身近で、「今すぐ解決したい!」という強い初期衝動に駆られたことを今でも強く覚えています。また、社会課題としてのイシュー度の面積(深さ×広さ)もかなり広く、事業開発として取り組み甲斐がありそうだと感じたことも入社の決め手になりました。

君の名は

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さて。簡単に会社の概要を説明をしたところで、改めまして中川瑞穂と申します。外資系投資銀行に約8年勤め、そのままいけば最年少女性社長も夢ではないところまでキャリアを積み上げた私が、なぜ30代になって突然キャリアをリセットし、知識も経験もゼロの医療系スタートアップで働くことを選んだかをお話させていただきます。

2008年。当時就職最難関の外資系投資銀行で内定をもらい、意気揚々とキャリアをスタートした私は、ぶっちゃけ調子に乗っていました。しかし、入社半年でリーマンショックという突然の荒波に揉まれ、毎日市場が激しく乱高下し、少しずつ同僚・先輩がクビを切られてフロアから人が減っていく様を目の当たりにし、社会人の初っ端から「栄枯盛衰」という世の儚さを味わうことになったのです。

激動の時代に身を置きながらラッキーにも生き長らえ、優秀な仲間に恵まれ、日々劇的に変化していく市場と向き合いながら、大きな金額を動かし、グローバルの同僚・顧客と切った張ったを繰り広げる毎日は刺激に満ちていました。成果を出せば出すだけ報酬も得られ、ちょっと頑張りすぎて髭が生えたりもしたけれど、おかげでアジアNo.1セールスにもなれたし、会社からの期待も大きくなんだかもう順風満帆。しかしこのタイミングで私の心に去来した想いは「このままでいいのか」という焦りでした。

うまくいきそうなことを
うまくいきそうな領域でやって
成長が止まっていないか

そんな問いが頭の中でぐるぐる回り始めたのが30歳を迎える頃。

”失敗をすること”よりも、"チャレンジをしないこと"の方がよっぽど怖い

折しも、55歳という若さで父が突然他界します。肺ガンでした。もっと早く検査を受けていれば。もっと早く治療をはじめていれば。たら・ればは後から後から湧いてきましたが、時すでに遅し。癌細胞はあっという間に広がり、80歳まで当然の如く生きると思っていた自分の父親は、あっけなく帰らぬ人となってしまったのです。

"人はいつか死ぬ"。頭ではわかっていたけれど、いざ現実にその事実を強烈に突きつけられたことにより、「明日死ぬとしたら、自分は一体何がしたいのだろう?」という、人生と自分に対する本質的な問いに強制的に向き合わざるを得なくなりました。

そして行き着いた答えが「社会貢献をしたい」という漠然とした想いと、「同じように悲しい想いをする人を少しでも減らしたい」という想いでした。ボランティアやサイドビジネスではなく、人生を賭して、台風の目の真ん中でこの課題に取り組みたいという強い想い。

また、"終わり" を強烈に意識したことで、”失敗をすること”よりも、"チャレンジをしないこと"の方がよっぽど怖いという価値観にドラスティックにシフトしたことも大きいです。生きてるだけで儲けもの。人生の終わりの瞬間を、「我が人生一片の悔いなし」と言えるくらい、なんでも面白おかしくチャレンジしてみようじゃないか。

30代からのキャリアリセットは、 リスクではなく、むしろチャンス

You can’t connect the dots looking forward. You can only connect them looking backwards.
未来を見て点をつなぐことはできない。できるのは過去を見てつなぐことだけだ (Steve Jobs)

Steve Jobsのあまりにも有名な言葉。Connecting the dots。こんな言葉を私が引き合いに出すのは大変おこがましいですがw

何が言いたかったかというと、30代からのキャリアリセットは、リスクではなく、むしろチャンスだということ。線形のキャリア(同じ仕事をし続けることで職位が階段上に上がっていく)は、未来が予測しやすい安定した世界においては意味を持ちますが、VUCAと言われる不確実な世界においては、会社自体がなくなるかも知れないし、業界自体がなくなるかも知れないし、突然ゲームのルールが変わる。

そんな時代だからこそ、敢えてまったく新しい趣味を始めてみるとか、敢えて今まで読んだことのないジャンルの本を読んでみるとか、人生に "余白" を持たせることは、とても大事だと思っていて。キャリアもそんな感じで、線形の先にある仕事をするだけでなくて、飛び石的にいろんなものに手を出してみることで、後から「あれやっといてよかったな〜」につながるんじゃないかと思っているということです。

私個人の話で行くと、投資銀行を辞めた後は、NYでヨガ・瞑想・ピラティスの勉強をしたり、そのつながりでアカツキの創業者と出会って一緒に働くことになったり、そこで初めてサブスクIT事業の立ち上げをすることになったり。なんだか行き当たりばったりで、キャリアプランとかも全然ないですが、でも気付けばその瞬間に命を燃やして頑張ったことが、後から点になって繋がって、人としてのご縁だったり、スキルだったりで、今の仕事に活きて還元されたりするから不思議です。

それをやることに意味があるか?
それはきっと未来の自分にしか分からないけど。

けれどきっと、「やってみたい」と思った自分の気持ちを大事にしてチャレンジすること。その過程が人生には尊いんじゃないかなと思うのでした。

35歳の私は、Connecting the dotsの先で、Ubieという会社と自分の人生に交点が生まれました。父の死により「早期発見・早期治療で救える命がある」と知ったこと、その課題を解決できるHOWを今の会社が持っていること、それを自分で解決したいというWillがあること。

知識も経験もない医療業界でのチャレンジはまだ始まったばかりですが、変わったバックグラウンドの私だからこそできることがある。そう信じて、目の前のことにひたむきに取り組む日々です。

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