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結婚できないと思っていた私が結婚した話

29歳まで、わりと本気でずっと独りで生きていく未来を想像していた。

趣味は充実していたし、友だちにも恵まれていた。
働くことも好きだし、フットワークは軽い方だったので各地に遊びに行っていて、リア充だとよく言われた。

ひとりカフェをはじめ、ラーメン、焼肉、映画に国内/海外旅行、ディズニーもひとりで行けてしまう。
どこまで1人で行けるかなーと、ある種ゲーム感覚になって楽しんでいたのもあると思う。

リア充といっても“恋愛”だけは苦手だった。
今でこそ、その言葉をよく聞くようになった(と思う)のだが、「蛙化現象」がまさに当時の私にぴったり当てはまる。
蛙化現象とは、

意味としては、片思いやアプローチ中は相手のことが大好きで長所しか見えなくても、振り向いてくれたり相手も自分に好意を持っていると知った途端、興味を失ったり気持ち悪く感じたりすることを意味する心理学用語の1つです。

自分が想うのは楽しいのに、想われている素振りを感じた瞬間「あ、ダメだ…」となってしまい、その人と距離をとってしまうのである。

もともと、小学生の頃から男の子と喋るのは苦手だったと思う。
それでも毎日は楽しかったし、中学も高校も部活動に打ち込んでいて充実していた。

大学に進学すると、かっこよくて面白い先輩が気になったりしたが、どちらかというと“憧れ”に近い感覚だった。

「恋に恋するお年頃なんだ」と思うこともあったが、お年頃って普通こんな長くない。
当時は「蛙化現象」という言葉を知らなかったから、自分なんか変かも…と少し不安になることもあった。

良い人がいるからと友だちに紹介してもらったこともあるし、街コンに出かけたこともあったが、自分の気持ちの問題でうまくいかなかった。

「キレイだからすぐ結婚できるよ」とか「意外と早く結婚しそう」とか言われたけど、どんどん年齢を重ねていく。

アラサーになってさすがにちょっと焦り、婚活をしてみたこともあったけどすぐに心が折れた。
連絡をとりあって1,2回ご飯やデートに行くことがあっても、どうしても気持ちが続かず嫌な気持ちが勝ってしまう。

焦りはするけど無理に出会っても好きになれないし、恋愛以外は充実していて楽しい日々を送っていたので、「もういいかな」とも思っていた。

そんなある日
会社の飲み会で運命の出会いがあった。

その人とは、今まで話したことはなかったのだが、前から知っていて素敵な人だと思っていた。
私の偏見だが「こんな素敵な人は既に結婚しているだろう」と思っていたので、いつものように憧れのような存在として記憶していた。
しかし、飲み会の話の中で彼女すらいないことが判明。
どういう流れだったかもう覚えていないけど、共通の話題で盛り上がって、その日はずっと楽しかった。
飲み会の後も連絡をとりあって、2人でご飯にも行った。
珍しく“好き”が続いていて、蛙化現象が起きる気配もない。

「この人だ」と思う感覚は初めてだった。

付き合うまでに時間はかからなかった。
それから、2人でどこに行くのも何をするのも楽しかったし、ずっと一緒にいたいと思った。
家族になる未来も容易に想像できた。
1年記念日には入籍をして、私たちは夫婦になった。

29歳になったばかりの頃は、これからの1年がこんなにも大きな変化のある1年になるとは1ミリも想像できていなかった。

あんなに恋愛できなかった私が。
結婚できないと思っていた私が、まさか結婚するなんて。

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