【映画レビュー】『ペパーミント・キャンディー』:人生は戻りたくても戻れない
何もかもうまくいかず、もうどうしようもない破滅状態になった主人公が、涙を流して「帰りたい」と言いながら、走ってくる列車の間に立ちはだかるシーンから映画は始まる。そこからこの映画は、主人公の人生を遡りながらたどっていく。時間を逆に進んでいき、20年前の幸せだった青春時代まで巻き戻していく。
その手法は力づくと言っていいほど強烈で、本当にすごい。こんな映画は観たことがない。人生は戻せるものなら戻したいときもあるが、いくら悔いても戻れない。巻き戻せない時間をさかのぼっていくのを