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真冬のハイビスカスに元気をもらった今日のはなし。

わけがわからない。
体感気温と視覚情報がなんともマッチしない。
ここは南の島じゃない。
今朝も窓ガラスは寒さで結露していた。
エアコンと一緒に、電気ヒーターが朝いちからフル稼働。

出勤してきたら、職場のハイビスカスが元気よく2つも咲いていた。

夏前に先輩がホームセンターで買ってきてくれたハイビスカス。
園芸コーナーの隅っこに、売れ残っていて安かったからと。
夏場にはちっとも咲かなかったくせに、残暑になった頃、ポツポツと蕾をつけ始めた。
そこから、コンスタントに毎日一つずつ花が咲いた。

12月に入ってからも勢いは落ちたものの、花は咲き続けた。クリスマスツリーとハイビスカスを一緒に飾ったのは人生初めて。
「オーストラリアみたいだね」
と先輩は笑った。
気分は南半球。寒いけど。

年が明けてからも、ハイビスカスは蕾をつけ続けた。
笑っていた先輩も、私も、元気すぎるハイビスカスに、もはや怯えていた。
「ハイビスカスってこんなに冬でも咲くものなの?外よりはマシだろうけど、換気してるから、ちっともあったかくないし。夜は極寒だろうに。」先輩は怪訝な顔して、そう言った。

1月末ごろ、いよいよ寒さに耐えきれなくなったのか、蕾はあるけれどなかなか咲かなくなった。

そのころ、職場はプチパニック状態だった。

体はそこまで疲れていないのに、心がすり減ってへとへとになって帰る毎日。休みまであと何日とカウントダウンするような日々。

そして今日、2月のはじめ。

パカっと冬の青空に向かって、花が2つも咲いていた。

ハイビスカスに水をあげていたら、心の中でむくむくと湧き上がるものがあった。

こんなに寒いのに、ハイビスカスにとっては決して快適な環境ではないであろうに。
それでも、淡々と蕾をつけて、毎日じゃなくても元気に咲いている。

自分の今と重なった。
ぶちぶち言っていないで、自分のできることを淡々としようと。

去年の春、桜を見ながら同じようなことを思った。
お花見ができない状況だった去年。
でも、人が花見をしようが、しなかろうが、そんなことは関係なく、桜は淡々と咲いて散る。
かっこいいなと思った。

私は弱っちいから、桜とかハイビスカスみたいに、ただ淡々とは咲けない。頑張れない。誰かのためにとこじつけて、でもそれはそっとしまって、強くしなやかに淡々と、自分のできることをしたい。


先輩とハイビスカスの話をしたら2人とも笑顔になった。

たぶん、これはハイビスカスの恩返し。

と、都合よく思っておく。

🌺

寒いですね。
今日もおつかれさまです。

最後まで読んでくれた、あなた。
ありがとうございました。

春瀬

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