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-映画紹介-『西成ゴローの4億円ー死闘篇ー』 この西成で暮らす日雇い労働者のオレが四億円つくらなあかんねん!

《乱れ撃ちシネnote vol.171》

『西成ゴローの4億円ー死闘篇ー』 上西雄大監督 2021年日本

鑑賞日:2024年1月20日 U-next

【Introduction】
ロシアの政治活動家ナワリヌイ氏の獄中死のニュースが怪しい。
ナワリヌイ氏の遺体は二週間以上たった今も遺族に引き渡されていない。
プーチンに暗殺されたと噂されている。
ナワリヌイ氏の妻ユリアさんは、ロシア当局がナワリヌイ氏の遺体を隠し、神経剤「ノビチョク」の痕跡が体から消えるのを待っていると非難しているが・・・。

不屈の精神を持ち明るく魅力的なナワリヌイ氏がどんな人物かはぜひこのドキュメンタリーをご覧いただきたい。
《乱れ撃ちシネnote vol.39》

閑話休題。

1月末にU-nextを解約してNetflixを再契約するのでそれまでにU-nextで観たい作品をせっせと見続けている。
先日観た『水は海に向かって流れる』

広瀬すずがあまりにも素敵なので巷では評判の良いこの作品を選んだ。
24.01.11(09) -☆☆- 『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話』 河合勇人監督 2017年 日本 U-next
この話が実話だということには驚くけれど本作品には感動もしないし笑えないし平凡な展開だし、広瀬すずもちょっとね、だった。
残念。

ぼくは子供のときに一度だけ力道山宅の正月の餅つき大会にお邪魔したことがある。
日本人レスラーに混ざってユセフ・トルコや悪役外人プロレスラーたちが仲良く餅つきをしていた光景をなんとなく覚えている。
邦画の『力道山物語 怒涛の男』は子供の頃に観た覚えがあるけれど韓国版があったんだ。

24.01.12(10) -☆- 『力道山』  監督 2004年 韓国  U-next
50分で途中下車。
映像にも役者にも物語にも興味が持てなかった。残念。

24.01.12(11) -☆☆- 『トンマッコルへようこそ』 パク・クァンヒョン監督 2005年 韓国 U-next
朝鮮戦争のさなか南北朝鮮軍兵士や国連軍のアメリカ人兵士が山奥のほんわかした平和な村でバッタリ遭遇し、危機を乗り越え友情を育んでいく物語。
物語も演出も平凡だけど天真爛漫な村の少女を演じたカン・ヘジョの可愛さだけは非凡だった。

24.01.13(12) -☆- 「まぶしくて~私たちの輝く時間」 キム・ソギュン監督 2019年 韓国 U-next
コミカルな味付けの韓国ドラマはユーモアのセンスの違いなのか笑えないことが多く途中下車してばかりいる。

本作は第一話の冒頭から不思議な世界に引き込まれた。
コミカルなタッチも軽妙で抵抗がない。
「優秀でなくてもいい生き方はできるの」と娘を励ます優しいお母さん(韓国の国民的女優キム・ヘジャ)がとてもうまい。

キム・ヘジャ

口調は皮肉っぽくてキツイ母さんが娘をばげます気持ちは熱い。
第二話で急展開して、え~~こんなことになるとは。
いったいコこの後どうなるのかが楽しみ。
だったのだが第四話で中だるみしたので途中下車。
残念。

24.01.13(14) -☆☆- 『正しい日、間違えた日』 ホン・サンス監督  2015年 韓国 U-next
ちょっといい感じの映画なんだけどね。
特にヒロインのキム・ミニが清楚なのに仕草がとても色っぽくて素敵。

左:キム・ミニ

見たことのある女優さんだな〜と思ったら『お嬢さん』だった。
『お嬢さん』(2016)は冒頭から邦画なのか韓国映画かわからずにあれよあれよと甘美で不思議な世界に誘い込み、物語の筋立てが見えてきたあたりから俄然と面白くなる作品だ。
《乱れ撃ちシネnote》にはアップしていないけれど昨年5月の映画日誌にはこんなメモが残してある。

下調べまったくなく観始めた。
冒頭のシーンで邦画なのか韓国映画かもわからずにあれよあれよと不思議な世界に通いこんだ。
物語の筋立てが分かってきたあたりで俄然面白くなる。
舞台になる大富豪の邸宅の空間の面白さもあり一気に引き込まれる。

第一部ではにぶそうな女だったが第二部になるときりっとしたお嬢さんに顔つきがかわる。
女中とお嬢さん、2人ともに美人ではないのでリアリティがある。
特にお嬢さん役の女優キム・ミニ
当初はまったく魅力を感じない女性だったが二部でたちまち素敵なお嬢さんに見えるあたり監督の作り方がうまい。
これほどドキドキさせてくれる映画も珍しい。

長い作品ではないのに第一部、第二部と別れている意味が二部になってな〜るほどと思わせる。
今まで観た韓国映画の仲で一番好きな作品かな。
いわゆる韓国映画のイメージとかけ離れた作品づくりを感じる。
この監督の他の作品を観たい。
☆☆☆☆。

キム・ミニの色っぽさは『正しい日、間違えた日』でも際立っているけれど最終的にはだから何なの?な映画だった。
残念。

24.01.19(16) -☆☆- 「ひとくず 新ディレクターズ・カット」 上西雄大監督 2019年 日本 U-next
Facebookともだちの書き込みを目にして観たくなった作品の前にこちらを先に観てくださいとの書き込みを頂いたので観た。
この作品はだめだ。
話が読めるし役者にも感情移入できない。
唯一、子役の女の子のうまさと可愛さが印象に残った。

ということでお目当ての作品がこちら。
24.01.20(18) -☆☆☆- 「西成ゴローの4億円ー死闘篇ー」 上西雄大監督 2021年 日本 U-next
昨日「ひとくず 新ディレクターズ・カット」のあとに観始めたが途中下車して寝てしまった。
気になったので本日再挑戦。

コントラストの強い映像と荒唐無稽な筋立てでぐいぐい引っ張ってくれる。
この荒っぽい創りは日活時代の鈴木清順作品に通じているかな。
いつか見たプログラム・ピクチャーの王道とも言える不思議な魅力を放つ作品だった。
大阪、しかも西成という特別な地域がとても魅力的に感じる作品だ。

【物語の概要】
生活保護を受給しながら日雇い労働をする土師悟朗(上西雄大)は、大阪の西成では”人殺しのゴロー”と呼ばれていた。
記憶喪失のゴローは、何故自分が”人殺しのゴロー”と呼ばれるのか、何故西成で日雇い暮らしをしているのか覚えていない。
半グレに襲撃され頭に大怪我を負ったゴローだったが、手術を受けたところ、記憶の一部が戻ってくる。連絡を受け病院にやってきた元妻・片桐真理子(山崎真実)とも再会。そして、娘が難病に侵され助かるには心臓移植が必要だが、治療には海外渡航費含め四億円かかること、父親が殺人犯であることが治療費の援助を受ける妨げになっていることを知る。
妻は大学教授の職を絶たれ、娘の延命費を稼ぐためにSMの風俗嬢をしていた。
現実にショックを受けるゴロー。断片的に記憶が戻り、自分が元日本政府諜報機関ヒューミントの工作員であったことを思い出す。
チームの任務失敗により負傷し、その傷がもとで記憶を失ったことを利用され、チームの責任を負わされて殺人罪で服役。
家族も失い刑務所で5年過ごし、特赦により出所した後、気付けば今の西成での暮らしにたどり着いていたのだった。
ゴローは、娘の治療費の四億円を稼ぐことを固く決意。
そんな彼の前にかつて同僚だったヒューミントの日向誠人(津田寛治)が現れ、ヒューミントの下請けを持ちかける。
娘のために仕事を引き受け、再び闇の道を歩き出したゴローだったが、絶大な力を持つフィクサー・莫炉脩吉(奥田瑛二)との闘いが待ち受けていた……。
〜MOVIE WALKER PRESSより〜

【Trivia & Topics】
✥大阪下町の臭い
先日久しぶりに見た「ドキュメント72時間〜大阪 昭和から続くアパートで」が面白かった。
造船業が盛んだった昭和40年に建てられ、
今もおよそ70世帯が暮らしている大阪港近くに並ぶ3棟の古びたアパートを舞台にした72時間。

同番組にはこんなのもあるんだね。
「ドキュメント72時間 大阪・西成 24時間夫婦食堂」

再開発が進む大阪・西成。町の一角に、40年以上続く24時間営業の食堂がある。
店の売りは大盛りのメニューと聞き上手なマスターとママ。
2人にグチや悩みを聞いてもらおうと、絶えることなくお客さんがやってくる。

大阪の下町を伝える作品と言えば印象的だったのが西尾孔志監督の『ソウル・フラワー・トレイン』(2013)
《乱れ撃ちシネnote vol.103》

絶品だったのは犬童一心監督の『ジョゼと虎と魚たち』(2003)
《乱れ撃ちシネnote vol.122》

他に西成地区を舞台にした映画を調べたら見つかったのがこれらの作品。

・『解放区』 U-next

・『おとうと』 U-next

・『まんが じゃりン子チエ アニメ』 U-next

・『仁義の墓場』 U-next

しばらく西成めぐりをしてみようかな。

【5 star rating】
☆☆☆

(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。

【reputation】
Filmarks:☆☆☆★

u-next :☆☆☆☆★



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