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-映画紹介-「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」 -感情のない、人の感情も分からないサイコパスの検事ですが何か!

《乱れ撃ちシネnote vol.141》

「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」シーズン1・全16話 アン・ギルホ、ユ・ジェウォン監督 2020年公開 韓国

鑑賞日 2023年8月28日 Netflix 

【Introduction】
前回の『キル・ボクスン』ではチョン・ドヨンとともに娘役のキム・シアがとっても良かった。

キム・シアが10歳で主演して天才子役と騒がれたデビュー作『虐待の証明』(2018)を観たかったけれど残念ながら現在サブスク配信されていない。

『虐待の証明』のキム・シア

そこで選んだのがテレビ・ドラマの『静かなる海』(2021)。
お気に入りの女優ペ・ドゥナが主演でキム・シアと共演している。

23.08.25 (32) ☆『静かなる海』全8話 チェ・ハンヨン監督 2021年韓国 Netflix
『母なる証明』(2009)のパク・ウンギョが脚本を書いたSFサスペンス・スリラー。
時代は砂漠化した未来の地球。
廃墟となった月面基地から謎のサンプルを回収するミッションを受けた精鋭チームを描いた群像劇。
モタモタした展開にイラツイて第4話で一度途中下車したが第5話からキム・シアが登場するので再挑戦して最後まで観たがやっぱり面白くない。
ペ・ドゥナもキム・シアも活かされてなくてがっかり。

そこで口直しにもう一本ペ・ドゥナ主演のドラマを選んだ。
23.08.28 (33) ☆☆☆☆ 「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」シーズン1・全16話 アン・ギルホ、ユ・ジェウォン監督 2020年韓国  Netflix

第一回目は地味だな〜と感じたけれど第2話からじわじわ面白さが伝わってきた。
頭が切れるが冷静冷徹な検事が主人公。
と、思ったら主人公はまたもやサイコパス(反社会性パーソナリティ障害)。先日観た「ビューティフル・マインド 愛が起こした奇跡」の主人公と同じ病気だ。

欧米では人口の4%、日本では1%といわれているサイコパス人口。
韓国ではどうなんだろうか。

「秘密の森〜深い闇の向こうに〜」は子供時代に受けた脳手術の影響で感情を失ってしまったサイコパスの検事が主人公のサスペンス・ドラマ。

主人公はサイコパスなので相手の感情も読めないが記憶力や観察力などが異常に優れているため優秀な検事として活躍している。
同僚たちからは変人扱いされ検事局では孤立しているが本人は全く意に介さない。
かたや正義感が強く情にもろい熱血女性刑事が登場する。
ある事件をきっかけに水と油のような性格の二人が出会った。
人を寄せつけずたった一人で捜査に励む検事に当初はとまどっていた女性刑事も彼に興味を持ち始めて捜査に協力するようになり・・・。

物語の先の読めない展開と切れ味のいい演出そして好対照な性格の二人の正義感の捜査の先に見える巨悪の影。
サスペンス・ドラマのお手本のようにワクワクするシリーズでした。

【Story】
脳の異常な発達により音に敏感で強烈な耳鳴りと頭痛が耐えられずに暴力を振るう幼いファン・シモク。
脳の一部を切除する手術を受けた結果感情を失ってしまった。
観察力や記憶力が異常に優れているためにソウル市西部地検の検事となったファン・シモク(チョ・スンウ)。
ある日シモクは検察内部にはびこる不正な情報を握っている元会社経営者パク・ムソンの家を訪ねる。
しかしシモクが家に入るとムソンは殺害されていた。
通報で現れた龍山警察署の女刑事ハン・ヨジン(ぺ・ドゥナ)が逃げた容疑者ジンソプを逮捕します。
ヨジンに断りなくジンソプを検察に連行してしまったシモク検事。
その事件を次長検事イ・チャンジュン(ユ・ジェミョン)は見習い女検事ヨン・ウンス(シン・ヘソン)に担当させます。

ジンソプの有罪は確定しますが彼は無罪を訴える嘆願書を出し獄中で自殺してしまう。
検察が証拠を捏造したと疑われてマスコミの追及に窮地に立つ新米のウンス検事。シモクはヨジン刑事と協力して真相の解明に当たります。
次々と見つかる証拠に何か裏があると考えた2人の捜査の矛先は検事局や警察、マスコミにまで広がります。
シモク検事は自らTV番組に出演して責任は自分にあると説明し、車載カメラの映像に映る人物こそが真犯人だと語り2ヶ月以内の犯人逮捕を約束しましたが・・・。

感情がないため常にポーカーフェイスのシモク検事とすぐに感情が顔に出るヨジン刑事とのコンビネーションが抜群です。
ペ・ドゥナは何本かの映画でシリアスな刑事を演じていますが本作ではいつになくコミカルなのが嬉しい。

【Trivia & Topics】
*注目のドラマ。
韓国で2017年に放送された本シリーズは韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる第54回百想芸術大賞TV部門大賞を受賞。2017年のニューヨーク・タイムズ「国際TVドラマTOP10」にも選定された。この賞に選定された唯一の韓国ドラマという問題作です。

*チョ・スンウ。
韓国映画界・ミュージカル界で活躍するチョ・スンウがみごとなサイコパスぶりです。他の出演作を観たことがないのですが無感情なポーカーフェイスが実に似合っていました。
かたやハリウッド映画にも出演しているペ・ドゥナ。
韓国を代表する豪華二大スターの共演です。

【5 star rating】
☆☆☆☆

(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。

【reputation】
Filmarks:☆☆☆☆★

Amazon:✖
u-next :✖
Netflix:◯


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