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-映画紹介-『キル・ボクスン』 あなた、真実を殺すこと出来ますか?

《乱れ撃ちシネnote vol.140》

『キル・ボクスン』 ビョン・ソンヒョン監督 2023年公開 韓国

鑑賞日 2023年8月25日 Netflix

【Introduction】
Yutuneで見つけた韓流ドラマ情報番組で「Netflixで1話目から確実に面白い韓国ドラマ8選」というリストの中から前回に続いて2本目に選んだのがこの作品。

23.08.21(23)「D.P. 脱走兵追跡班」1シーズン6話、2シーズン6話。☆☆
戦争映画の中でも新兵いじめを扱った作品はキューブリック監督の『フルメタル・ジャケット』、渥美清の『拝啓天皇陛下様』、アチャコ・伴淳の『二等兵物語』、勝新太郎の『兵隊やくざ』シリーズ、三國連太郎の『陸軍残虐物語』など面白い作品がたくさんある。

本作はいじめに耐えられずに脱走した兵隊を追跡して保護する「脱走兵追跡班」に加わった新兵が主人公の物語。
タイトルの「D.P.」は「Deserter Pursuit」の略で「脱走兵追跡」の意味。

抜群の吸引力を持った第一話だったので期待大で観始めた。
前半はかなりスリリングで楽しめたけれど中盤から喜劇タッチが増えて中だるみしてしまった。
☆☆だからと言って決してつまらない作品ではないんだけど。

3作目に選んだのがこの作品。
23.08.23(25)「スタートアップ:夢の扉」全16話。Netflix ☆☆
仲間3人で起業してハイテク業界で成長していく若者青春物語にラブロマンスがからむ。
けっこう楽しめたけれど☆☆。
何故かと言うと、
スタイルはいいし表情も豊かな美人女優ペ・スジに魅力を感じなかったことだ。

ペ・スジ

映画と違ってテレビドラマは長丁場なのでお気に入りの女優が出演していることが大きなポイントとなる。
ペ・スジは女優というよりも化粧品のモデルが似合いそうな女性だ。

次に観たのがNetflixのお勧めの作品。
23.08.24 (26) ☆『ハート・オブ・ストーン』 トム・ハーパー監督 2023年
1時間ほどで途中下車。
激しいカーチェイスやら銃撃戦やらがてんこ盛りなスパイ映画なんだけどちっともワクワクしない。

お次は以前からタイトルで気になっていた作品。
23.08.24 (27) ☆『メタモルフォーゼの縁側』 狩山駿佑監督 2022年日本
モタモタした運びでちっとも入り込めない。
25分で途中下車。
ふと、お婆さんが樹木希林だったらな〜と・・・。

次に観たのは「第44回日本アカデミー賞を総なめした『ミッドナイトスワン』の内田英治監督作品。
23.08.24 (28) ☆『異動辞令は音楽隊』 内田英治督 2022年日本
あまりにも類型的な演出で退屈。
27分で途中下車してしまった。

お次はタイトルに惹かれて観た。
23.08.24 (29) ☆☆ 『SEE  HEAR  LOVE  見えなくても聞こえなくても愛している』 イ・ジェハン監督 2023年韓国

なんだろうこの奇妙な違和感は。
シナリオも役者も演出もバラバラな印象を受ける。
これほど破綻している映画は珍しいんじゃないかな、と感じた。

23.08.24 (30) ☆☆『カーテン・コール』 佐々部清監督 2005年日本 
つまらなくはないが面白みがない。

ようやく当たったのがこの作品。
23.08.25 (31) ☆☆☆☆『キル・ボクスン』 ピョン・ソンヒョン監督 2023年韓国 Netflix

文句なくオモチロイ!
スタイリッシュで緊迫感のある映像の積み重ねが見事。
単純な物語がとても丁寧に描かれているのでただ画面に集中しているだけで楽しめる。
およそアクション映画には不向きな容姿のチョン・ドヨンの17歳の娘との暮らしぶりにリアリティがある。

チョン・ドヨン

これがマッチョな女優が演じると日常の暮らしの場面が不似合いになる。
一見男の子のようにボーイッシュな娘役のキム・シアが可愛くてとても上手い。

キム・シア

と思ったら、既に天才子役と噂されているらしい。

見事な作品に仕上げたチョン・ドヨンの代表作の『接続 ザ・コンタクト』や『シークレット・サンシャイン』が観たかったけれどサブスクでは観られない。

キム・シアが出演している映画で観られるのはテレビドラマ「静かなる海」
本当は『虐待の証明』が観たいけれどサブスクにはないので「静かなる海」を観よう。

「静かなる海」は何と言ってもお気に入りのペ・ドゥナ主演だし。

ペ・ドゥナ

【Story】
暗殺請負業者MKエンターテインメントに雇われているキル・ボクスン(チョン・ドヨン)はベテランの域に達する成功率100%の殺し屋。
私生活では思春期の娘15歳のジェヨン(キム・シア)の母親として子育てに悩む日々を送っています。
娘との時間を大事にしたいボクスンは会社との契約更新のタイミングを機に引退する決意する。
その決意を会社に告げる前に、彼女の最後の任務にある秘密が隠されていることを知り、“会社の仕事は必ず請けなくてはならない” なってしまった。

物語はどうあれとっても楽しめる作品です。
普段は気難しいお年頃の娘に手こずりながらハイソなママ友とホテル・ラウンジでお茶しているママが仕事となると強烈な殺し屋魂を見せて激しいアクション・シーンを演じる。
この落差がタマラナイ。

キル・ボクスンを演じるチョン・ドヨンは韓国のアカデミー賞といわれる大鐘賞と青龍映画賞で新人女優賞を受賞。
その後も大鐘賞や青龍映画賞などで主演女優賞を受賞する演技派女優。
2007年に『シークレット・サンシャイン』では第60回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞している。
身長165センチ、体重48Kgのチョン・ドヨンが業界ナンバーワンの殺し屋をみごとに演じています。

とてもアクション映画に出演するタイプの女優には見えないチョン・ドヨンに出演許諾をもらってから彼女を前提にシナリオを起こしたビョン・ソンヒョン監督
さくさくパキパキと切れ味良くスタイリッシュな演出の作品なので何も考えずに楽しめます。

【Trivia & Topics】
*キル・ボクスン。

殺し屋業界ナンバー1の実力を誇りながらシングル・マザーとして二重生活を送っているチョン・ドヨン演じる伝説の殺し屋のニックネームです。

*ク・ギョファン。
キル・ボクスンと同じ暗殺請負業者MKエンターテインメント所属の殺し屋。A級の能力を持つが会社に認められていない人物を演じている。

ク・ギョファン

「D.P. -脱走兵追跡官-」でもいい味を出しているので印象付けられたキャラクター。そのうちブレイクしてもらいたい。

*キム・シア。
キル・ボクスンの娘役を演じる一見男の子のようにボーイッシュなキム・シアが可愛くてとても上手い。
既に天才子役と噂されているらしいので他の作品を観たくなる。

キム・シア

*ピョン・ソンヒョン監督。
他の作品も観ぜひ観たい。
・『名もなき野良犬の輪舞』 Amazon Prime Videoレンタル

・『キングメイカー 大統領を作った男』 Amazon Prime Videoレンタル U-nextレンタル

・『マイP.S.パートナー』

・『青春とビート、そして秘密のビデオ』 配信なし。

見放題で観られる作品がないのが残念だ。

  • 【5 star rating】

  • ☆☆☆☆

  • (☆印の意味)

  • ☆☆☆☆☆:超お勧めです。

  • ☆☆☆☆:お勧めです。

  • ☆☆☆:楽しめます。

  • ☆☆:駄目でした。

  • ☆:途中下車しました。

【reputation】
Filmarks:☆☆☆★

Amazon:✖
u-next :✖
Netflix:◯



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