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-映画紹介-『ハケンアニメ』 私が裏番組を叩き潰します!

《乱れ撃ちシネnote vol.100》

『ハケンアニメ』 吉野耕平監督 2022年公開 日本


鑑賞日 2023年5月11日 U-next レンタル

【Introduction】
久しぶりにJ君と1時間ほど電話で映画話。
毎年映画館で100本観ている彼からの情報はなかなか貴重だ。
今回は4月期のテレビ・ドラマのおすすめと面白かった映画を
教わったので、
寝しなにJ君おすすめの3本のTVドラマを見ました。


☆☆☆☆「Dr.チョコレート」(日テレ 土曜日 22:00~)

これは面白い!!
パターンはブラックジャック。
高額報酬で請け負う闇医者の話。

現金一億円、秘密保持契約書に捺印そ、そしてチョコレート。
この3つが揃えばどんな手術でも成功させる天才外科医がDr.チョコレートだ。

Dr.チョコレートは亡くなった天才外科医の愛娘。
チョコレート好きの彼女はなんと10歳❗
彼女をサポートするのは亡くなった天才外科医の秘蔵っ子で
義手のティーチャー。Dr.チョコレートの親代わりだ。
ティーチャーが選んだ癖のある6人のプロがDr.チョコレートの手術を
アシストする。

びっくりするほど芸達者な子役が現れたもんだ!
Dr.チョコレートを演じる白山乃愛(のあ)には驚く!
第9回東宝「シンデレラ」オーディション グランプリ受賞者。

白山乃愛

このオーデイションでは、過去に沢口靖子(1984)、長澤まさみ(2000)、上白石萌歌(2011)などが受賞している。もちろん白山乃愛は最年少受賞者だ。


☆☆☆「UNKNOWN」(テレ朝 火曜日 21:00~)
ラブ・ロマンスもの。
結婚相手の女性が吸血鬼だった。
テンポもいいし物語の展開も悪くないので、
今後どのように話が展開するのでしょうか。


☆☆☆「ペンディングトレイン」(TBS 金曜日 22:00~)
電車が事故を起こして一車両だけ異次元の世界にタイムスリップしてしまった。
いったいここはどこ?
いつの時代なの?
助けは来るの?
その車両に乗り合わせた人々のサバイバルが始める。
というSFもの。
どこまで話が広がるかによって面白さが決まる。

J君のおすすめ映画は4本。
まずはU-nextの見放題で観られる作品ということで選んだ。

☆☆『とんかつDJあげ太郎』二宮健監督 2020年公開
東京・渋谷の片隅にある老舗とんかつ屋「しぶかつ」。
勝又揚太郎はその三代目だ。
店を継ぎたいわけじゃないけれど、他にやりたいこともみつからない。
父・揚作の元、豚肉にはまだ触らせてもらえず、キャベツの千切りの毎日。
ある日、弁当の配達で渋谷のクラブへ。
はじめて訪れたその場所で音楽にあわせ盛り上がるフロアにこれまでにない高揚感を得た。
やる気ゼロだったアゲ太郎はとんかつもフロアもアゲれる男「とんかつDJアゲ太郎」になるため、2つの高き頂点を目指し、歩き出す!(Filmarksより)

という物語。
まったく笑いのセンスが掴めなかった。


J君おすすめの映画2本目。
これは思いっきり楽しめる作品だった。
この作品が本日の本題です。

大学卒業後に地味に県庁で働いていた女性があるアニメに
衝撃を受け転職してアニメ監督になる。
アニメ制作会社入社7年目にして彼女はテレビデビューを
飾ることになった。
なんとその時間帯に裏では
彼女が衝撃を受けた天才アニメ監督の新作が放映される。
彼女は「私がハケンをとる」とイベント会場で宣言をした。

役者のハーモニーもいいし物語もあるあるの連続で楽しめてテンポも快調。
U-nextポイント¥399を使って観ただけのことはあった。

【Story】
国立大を卒業して県庁で働いていた斉藤瞳(吉岡里帆)はある日天才監督王子千春(中村倫也)のアニメを観て衝撃を受け転職を決意。
「どうしてアニメ業界なんですか?」と面接官に聞かれた瞳は「王子千晴監督を超える作品を作るためです」と答えた。

瞳が「トウケイ動画」に入社して7年後。
2022年4月期から土曜の夕方17時の枠で自作『サウンドバック~奏の石~』で監督デビューが決まった。
瞳の「絵コンテ」どうりだと手間がかかりコストが高くなるため現場のスタッフは嘆いたり不満を言いますが瞳はあくまでも「絵コンテどうりにお願いします」の一点張り。

連日スタジオにつめて作業に没頭している瞳だが、チーフ・プロデューサーの行城理(榎本佑)は瞳のアニメをアピールするための宣伝活動を最優先して瞳をひんぱんに雑誌のインタビューなどに引っ張り出す。
同時間帯の裏番組は8年前にデビューした後スランプに陥っていた伝説のアニメ監督王子千春のカムバック作品『運命戦線リデルライト』
行城理も必死だ。

王子をひっぱりだしたのはチーフ・プロデューサーの有料香屋子(尾野真千子)。「彼女が行くと確実に原画があがる」という逸話を持つ名物プロデューサー。
ところが突然王子が姿を消してしまった。
香屋子の手元には第3話までのストック原稿しかない。

瞳は『サウンドバック~奏の石~』(通称サバク)の脚本の細部の詰めに奮闘している最中にも行城が販促グッズの打ち合わせやファッション雑誌の取材を決めるので瞳は閉口する。
瞳はヒロイン役の声優群野葵(高野麻里佳)の喋り方も気に入らず変えてもらいたいのだが「葵はアイドル的な人気者なんですよ。あなたの名前で視聴者を呼べますか?」というのが行城の言い分だ。
裏番組(多くの視聴者にとっては瞳の作品が裏だが)が圧倒的な人気なので行城はあの手この手を使って瞳の作品をアピールすることに全力を注ぐ。

香屋子は放送局の重役に呼び出され王子の代わりを考えろとせまられますが、『運命戦線リデルライト』(通称:リデルライト)の監督は王子以外にありえないとつっぱります。

番組宣伝のための瞳と王子の対談イベント開催当日に王子は現れました。

王子は香屋子に第4話から11話まで(最終話は第12話)のプロットを渡しました。最終話はこれから考えると言います。

多くの観客が見守るなか、ステージの王子と瞳の対談が始まります。
ほとんどの観客が王子目当てで参加してるがそのステージ上で瞳は「私は王子さんの作品に感銘を受けてアニメを始めたんです。私、負けません。覇権をとります」と勝利宣言します。

サバクもリデルライトも初回放送に向けて、怒涛の忙しさが続きます。

サバクとリデルライトの初回放送はともに成功に終わりました。
視聴率は同率1位。好スタートを切ったのですが回を重ねるごとにサバクの視聴率は失速していきました。

最終回に向けてサバクの巻き返しはあるのでしょうか?
という物語です。

【Trivia & Topics】
*ハケンアニメとは。
原作は辻村深月の小説です。同じクールで制作された多くのアニメの中で一番成功したものに贈られる言葉が「覇権」を取るということです。2015年第12回本屋大賞で3位受賞。2019年に舞台化もされています。

*新人クリエイター。
本作は映画であれ舞台であれアニメであれ、新人クリエイターがデビューする時に必ず巻き起こるトラブルやいじめ、嫉妬や葛藤などが丁寧に描かれている“あるある映画”として楽しめます。

*キャスティング。
主役の吉岡里帆と中村倫也を始めチーフプロデューサーの柄本佑、宣伝マン古館寛治、アニメーター六角精児、制作デスク前野朋哉などキャスティングが見事です。

【5 star rating】
☆☆☆☆

(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:超お勧めです。
☆☆☆☆:お勧めです。
☆☆☆:楽しめます。
☆☆:駄目でした。
☆:途中下車しました。

【reputation】
Filmarks:☆☆☆★(3.9)

Amazon:☆☆☆☆★

u-next :☆☆☆☆


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