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「一粒360円の薬?」 「まるで高級チョコ!」特養で親が飲んでるかも。 

沢井製薬の検査不正や治験支援のメディファーマ で不正ニュースがあった頃、小耳にはさんだ話です。Aさんは特別養護老人ホーム(特養)に親御さんが入っていて、「特養だから安いと思ったのに」と、お友達と話していました。

特養に親御さんがいるAさん(以下Aさん)「薬代が高くなったの」
友人「どんな薬を飲んでるの?」

Aさん「分からない、色々、血圧とか、最近は亜鉛がどうとか、ノなんとかという。どうしたらいいのかねえ」

ハイ、聞いたことあります。実はわたし、無効となった介護ヘルパー3級の資格を持っています。
(国の方針で介護ヘルパー3級は廃止され、2級と1級になりました。)

親御さんが「食べ物の味が分からない」や「床ずれ」が原因で、ノベルジンという亜鉛の不足にきく薬を処方されたからじゃないかな。そして

「この薬(ノベルジン50) 高っ!」

多くの薬が数十円のなか、こちら、なんと一粒のお値段約360円(2023年4月の薬価)。高級チョコレート並みです。なのに事前に「高いお薬ですけど、(支払い)OK?」と家族に聞くきまりは埼玉県&長野県にはないのです。(ほかの県は聞いてないので分かりません。) 
だから後払いで「家族びっくり!」になるわけです。

朝晩、1日2回処方されたら、720円分。
1週間処方されたら約5千円分。
一月なら約2万円分。

つまり、ノベルジン50だけの金額で、
1割負担の患者さんは2千円/月のお支払い。二割なら4千円/月。

(75歳以上だと後期高齢者医療保険に入るため、一割負担と二割負担に分かれます。3割負担だと1万2千円。)

同じような効果を持つ、プロマックD75は一粒約20円。
1日40円。1週間280円。1月1120円。
患者さんの負担は一割として120円/月。

ジェネリックだとさらに安く、一粒約10円。
1日20円。1週間140円。1月560円。
患者さんの負担は一割として56円/月。

ノベルジンはプロマックと比較して1錠当たりの亜鉛含有量が多く(下記参照)、確実に亜鉛を摂取することが可能ですが、薬価がプロマックと比べて段違いに高いため、軽度の亜鉛欠乏ではプロマックを選択する医師が多いのが実情です。

やさしい薬の説明書

病気に対し、どんな薬を出すのか決めるのは医師です。ところがその薬は<病気>に対して作られ、Aさん専用ではありません。そして薬の効果は一つではありません。たまに、Aさんに思わしくない効果がでることもあります。(もちろんでないことも多いです。)

そんなときは薬の変更をすることができます。処方された薬を変える方法は「患者本人が医師に言う。」か
「患者本人が薬剤師に言う。」です。
(病気は医師の専門で、薬は薬剤師の専門、だからです。)

けれど特養に入るってことは、ほぼすべての日常生活に介助が必要。その本人がお医者さんに申し出るなんて無理~。
二人の会話は続いていきます。

友人「普通は先生(医師)に<安い薬にしてください>って言うんだけど」

Aさん「ああ、黒柳徹子が宣伝してるジェネリック?」
友人「そう、施設だから施設? 」

Aさん「でも先生にあったことないけど」
友人「だよねえ」

友人「それか薬剤師さん」
Aさん「薬剤師さんって、施設にいる?」

傍観者(わたし)の心の声(いません。特養で飲む薬は薬局から配達されるか、施設の人が薬局に受け取りにいきます。)

友人「それか、あなた(家族)が診察に付き添うとか、施設の看護婦さんに相談するとか?」
Aさん「診察に、付き添いねえ、、、看護婦さん、いつも忙しそうなんだよね」

親世代や子世代が大富豪ならいいわけなんですが、そうでもないから(費用の安い)特養なんだし。

どんな医療を受けるか決めるのは、あなた(患者さんや家族)です。親御さんの薬の明細書を見てみませんか。お安くなるかもしれまん。


おまけ
ほかの方法はこんな感じ。

1、市販の<サプリ>を買って、持ち込みできるか施設に相談。
2、施設の相談員さんに相談して、看護婦さんから先生(医師)に話をつないでもらう。
3、高額医療費申請。

「薬代が高いな~」と思ったら、まずは施設に相談。相談次第で、薬の数も減らせます。薬の数が減れば、当然薬代を含む特養のお支払いも減ります。お試しください。

ちなみに、特養の管轄は県の特養の(電話口で聞き取れなかった)課です。

おまけ2
このように特養の方へのお薬は薬局がしています。その薬局の苦境はこちら。 

おまけ3
もうちょっと詳しいノベルジンとプロマックの違いを薬の専門家ブログから。ご興味のある方はどうぞ。

一粒の薬の値段(薬価)についてはこちら.「薬価サーチ」より



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