見出し画像

コンプレックスがあったからこそ、強く、やさしくなれた。

「もっと、こうだったらいいのに。」「私のこんなところがきらいだ。」

きっと、誰もが感じたことがあるだろう。そして、その度に、哀しみや無力感の罠に囚われ、自分を責め、他人と比較し妬んでいるのかもしれない。

私がまさにそうだった。

私は、ずっと自分が嫌いだった。

小学生の頃不登校になったことが、恥ずかしかった。みんなと同じ道を辿っていないことが後ろめたく、不安だった。

シングルマザーで貧乏な家庭が嫌だった。こうなったのは親のせいだと母や父を恨み、悲劇のヒロインを演じていた時期もあった。そんな自分が嫌いだった。

パニック障害を抱えていたときには、生きづらさを感じていた。いつやってくるかわからないパニックに怯え、行動を制限し、自らちいさな世界に留まった。そんな自分が惨めだった。

人に依存していた。いつもどこか満たされず、寂しい。常に誰かにそばにいてほしかったが故に、常に彼氏がいた。愛情に飢えた子どものように愛を求め、溺れていた。傷つくのが怖くて、私から好きになることはなかった。そばにいてくれる男性に対して、どこかで父を重ねていた。そんな自分を、認めたくなかった。

たぶん、過去の記憶を掘り返したらもっとたくさんの「自分が嫌いだった理由」が出てくる。

今は、はっきりとわかる。私は、自分で自分を「生きづらく」していたのだ。その泥沼にいることが不安で、嫌で、でもどこか安心もしていて、いつの間にかそこがコンフォートな領域になっていたんだと思う。(それさえも当時の私は気が付いていなかった。)

けれど、今。

私は自分のことが好きだ。今の自分に満足しているし、それなりに満たされていると感じる。

(もちろん新たな挑戦はし続け、これからも成長していきたい。)

+++

どうやって、自分のことを好きになれたのか。

数年前の私だったら、知りたくて知りたくて仕方がなかったと思う。

今の視点から見て、私がやってきたことはこんな感じだと思う。

①自分にとって、不安な感情や事象、コンプレックスを言語化する。

②上記を感じている自分自身をまず受け容れる。(ジャッジしない。そんな自分ダメだ、と責めない。)                   

③これからは、そんな自分や感情、事象をどう解釈したいかを言語化する。

④定期的に見直す。アップデートする。

⑤ ①、③を人に話す。自己開示してフィードバックを貰う。(意外な結果が得られることが多かった)


このプロセスは一言で言うと、「認知のゆがみの矯正」だと思う。"矯正"という言葉はあまり好きじゃないので、「自分自身が心地よく、生きやすくなるための認知トレーニング」と別の表現で言い換えてみる。

言葉で書くのは簡単だが、実際に取り組むのはなかなか難しい。変わりたい、という気持ちとは裏腹に、私たちの内側には「看守=もう一人の自分」のような存在がいて、習慣と違う思考、行動をしようとすると必ず「そんな挑戦やめときなよ、できっこないよ」「自分が傷つくかもよ」などと、ブレーキをかけてくる。これを、心理学やコーチングの分野では「サボタージュ」ホメオスタシスという。

だからこそ、まずは②の「コンプレックスや不安、劣等感を抱いている自分自身をまず受け容れる。(ジャッジしない)」ことが重要になってくる。

本当の意味で、自分自身を否定できるのも、受け容れられるのも、自分だけだ。他の人にその権利はないし、与えてはならない。

「コンプレックスを抱えてはならない。」「他人と比較してはならない。」と思っている現状の自分自身を、認め、受け容れること。これが、強くやさしい人なるための第一歩だったな、と思う。

私は、コンプレックスはあったほうがいいと思っている。その方が、人の痛みがわかり、人にやさしくなれるから。そして、自分自身の変わりたい理由になるから。

「変わりたい」の気持ちの源泉は、「コンプレックス」や「不安」という負の感情の人が多い。そこから抜け出すために、変化をしようと決意する。

コンプレックスさえ、不安な感情さえなければ、「今の自分から変わろう」なんて思わないから。

だからそのエネルギーは、あなたの強さだ。

ただし、エネルギーを使う方向を間違えてはならない。そのエネルギーは、自分自身を傷つけるためじゃなく、自分にやさしく、そして人にやさしくすることに使うこともできる。

自分自身で、使う方向は選べる。

自分自身の「統制の所在」を確かめてみてほしい。それが、どこにあるのか。自分の内側にあるのか。外側にあるのか。

外側にあるな、と思った人は、ぜひ内側に戻すトレーニングをしてみてほしい。それがきっと、「"自分"が自分自身になること」であり、「ありのままの自分でいること」への近道だと思う。

+++

ひとりでやることに疲れたときは、誰かを頼ってみてほしい。コーチングやカウンセリングは、手助けの一助となるだろう。

誰かに吐き出したい、聴いてほしい、思考を整理したい、寄り添って欲しい。

こんな想いを抱いている自分も認めて、辺りを見渡せば手を差し伸べてくれる人はたくさんいることに気付くだろう。


大丈夫。あなたはきっと、強くやさしい人だ。



あなたが自然体で、心地よく過ごせるのが一番のサポートです💐