試験にはたぶん出ない古語クイズ(2022/06/29)
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答えは「②田の水を抜く」でした。
神道の「祝詞(のりと)」とは神前で読み上げる文章で、仏教のお経のようなものです。もっとも一般的なのは『大祓詞(おおはらえのことば)』と呼ばれる祝詞で、その名の通り「お祓い」で使用します。宗派によって多少の違いはありますが、「神道の祝詞は『大祓詞』が基本」と思っておけばだいたい合っています。
今回、出題した『六月晦大祓(みなづきつごもりのおほはらへ)』は『大祓詞』のオリジナルで、平安前期の『延喜式』という法令集に収められているもっとも古い祝詞のひとつです。六月三十日と十二月三十一日に宮中で執り行われた厄払いの神事で使用されたものですが、千年以上経った今でも六月と十二月の厄払いは特別で、それぞれ「夏越(なごし)の祓」「年越しの祓」とも呼ばれます。
さて、『六月晦大祓』は今の『大祓詞』とほぼ同じ内容ですが、『大祓詞』にはない禁止事項(罪)が列挙されているのが一番の特徴です。このうち、田んぼに関係した罪として下記の五つが書いてあります。
まとめると「他人の田を台無しにする」もしくは「他人の田を横取りする」のどちらかになります。恐らく実際にあった隣人トラブルで、多くの人が苦労したのでしょう。
『六月晦大祓』の罪には生死に関わるような危険行為も含まれていますが、それらと一緒に並べられていることから、当事者たちにはまさに死活問題だったことが分かります。
なお、下記の『現代語訳 祝詞(祓詞・大祓詞 編)』に全訳を載せていますので、興味のある方はよろしくお願い致します。
最後に少し余談です。
ちょうど今、各地の神社に「茅(ち)の輪」が設置されているのも「夏越の祓」の関係ですが、こちらは奈良時代初期に成立したとされる『備後国風土記(びんごのくにふどき)』に登場する「蘇民将来(そみんしょうらい)」という厄除けの神様のエピソードが元です。
「茅の輪を身に付けた人は病気から逃れられる」という逸話から、茅の輪くぐりの風習が生まれたと言われています。
(『備後国風土記』は現存せず、鎌倉中期の『釈日本記』での引用という形でのみ今に伝わっています)
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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