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The Office Is Dead?


デジタルシフトの必要性

最近はWith/Afterコロナを見据え「オフィス」の有無が話題になっています。多くの企業や経営者がオフィスの意味を考え直したり、更には実際に解約する話も出ています。そして、ハートラス(オプトグループ)もその内の1社になります。

こう言った判断が出来るのも、今回のコロナ禍によって、強制的に在宅ワークを経験する事で、一部問題はあるものの基本的には仕事が出来てしまうと言うリアルな体験をした事が非常に大きいと感じています。更に経営としては、分かり易いコストダウンのインパクトを考えれば、オフィス解約(一部含め)を早期に検討・判断をする事は十分理解できます。

一方で、あのZoomが新たに拠点(オフィス)を新設すると言う、ある意味逆行するような判断を行っている事は非常に興味深いと感じました。

記事によると、従業員はオフィスを欲しがっていて、その理由は「コミュニケーション」と「効率性」だと言われています。一緒の場所でやったほうが上手くいくと思う仕事については、やはりそうすべきだと言う意見があるのも事実のようです。

これは私も実感する事があります。既に約3ヵ月間在宅ワークをしていますが、実際に対面で画面を見ながら、またはワークをしながらの方が効率的な業務はありますし、複数名でのアイデア出しのようなブレインストーミングを行う際も、やはりリアルに会って行う方が効率は良いと感じています。(慣れればある程度の解消も可能かもしれませんが)

いずれにせよ、今までのBeforeコロナでは働くベースはオフィス(リアル)であり、在宅(オンライン)はあくまでサブや補完と言う認識でしたが、今回を機に完全に逆転した事は間違いありません。今後はオンラインをベースに考え、更にリアルでオフィスを持つ意味や目的を改めて考える事が必要です。つまり、企業や社員の働き方のデジタルシフトが必要になります。


リアルに体験する事の価値を高める

私は今までで、赤坂→溜池山王→赤坂見附→大手町→神保町→市ヶ谷とこれまで5回も移転経験があります。今の市ヶ谷は2012年から約8年と一番長いのですが、意外にも1年半しか滞在しなかった赤坂見附が今でも一番のお気に入りの場所です。勿論、交通の便や周辺の飲食店環境などが整っていた事はありますが、それ以上にそこでの「記憶」や「経験(楽しい/悔しい)」が脳裏に一番強く残っており、それがオフィス(場所)とセットで沁みついているからだと思っています。

また、前回のnoteでも記載した通りベンチャー企業にずっと在籍し、5回も移転経験をしている私としては、どこかオフィスの拡大が会社の成長ではないですが、一つの分かり易い「成長実感」の象徴だったとも思っています。そこにはストーリーがあり、やりがいや、ワクワク感が付随していると感じるのも正直な気持ちです。

例えば、マーケティングでも同じような視点があると思います。買い物にしても単純に決まったモノを購入すると言う作業と捉えれば、EC(オンライン)が効率的です。ただ、それが特別なモノで、誰と一緒に買うのか、どこで買うのかなど一つのイベントにように「顧客体験」と捉えると、意味合いは変わってきます。

私は仕事も似たような側面があると思っています。そういう意味で、上手く言葉にできませんが、ストーリーとしてのリアルな仕事経験(失敗/成功)は、ただ経験する事とは違い、五感や六感まで刺激される事で、その先の成長の糧としても、より再現性が強く働く気がしています(すごく感覚的な話ですが)。

このように消費行動にしても、働き方にしてもリアルとオンラインの融合は必然性を増し、更にリアルでの経験は、今後はその希少性からも今まで以上に価値が高くなると感じています。むしろ、リアルである目的や意義をアップデートして価値を高める努力が必要になるはずです。それは、企業にとってのオフィスも同じです。人がリアルに集まるからこそ、理念やカルチャーの浸透、プロセスが可視化され、仕事をより楽しめるような成長の仕掛けが必要になると思います。

家庭に会社がやってきた

最近、オンラインMTG等で社員や同僚と話していると、家庭内のワークバランスを考え直す必要が出てきているなと感じます。オンラインMTG中に子供が乱入してくる事もその一端かと思います。まだ若い社員も多く、首都圏の住宅事情を考えれば一人部屋を確保する事はかなり難しいので、当たり前の事なのですが、そんな状況もあって早くオフィスに出社したがる社員がいるのも事実です。

今までは夫婦共働きでお互い家にいなかった事で、何となく早く帰ってきた方が行っていた家事や、今まで何となく妻が行っていた子供の世話が、夫婦共に強制的に家庭に入った事でどっちがやるのか問題が勃発しているからです。もしくは、どちらも出来ない問題…。

乱暴な言い方をすれば、いきなり家庭に仕事が強制接続してきた感じでしょか。これによりフワッとしていた旧来的な性別的役割分担が成立し辛くなってきました。

それはそれで、新しい生活スタイルを見直す良い機会なのかもしれませんし、今後はそれが当たり前になり、「ワークライフバランス」ではなく、アマゾンのジェフ・ベゾスが言う「ワークライフハーモニー」に一気に近づくのではないかと私は感じています。

今回のコロナの影響はオフィス(リアル)の在り方を見直すだけでなく、それに伴う働き方から、生活スタイル、夫婦の在り方まで変えようとしていると考えると、改めてそのインパクトの大きさに驚きます。そして、同時にこれを機に自らを変化させるチャンスと捉えたいと思います。


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