エッセイ 「ぬけがら」に恋をする人
6歳の頃、近所の公園で知らない高学年の少年が何かを弄っていた。それはビニールテープのようなものであった。少年とその周りを囲んでいた子供たちがいなくなった後、「それ」は鉄棒の下に捨てられていたので拾った。正体は蛇の抜け殻だった。蛇が冬眠するのは知っていたが、脱皮すると皮が残るのは知らなかった。なるほど、これがかつて蛇の皮膚だったのか。ここに中身が入ってたのか。これが財布やら鞄やらの模様に加工されるらしい。やっぱりビニールほど強度があるわけじゃない。自転車のカゴに突っ込んで家に持