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【 ルールを知らないオーナメント ② 】#毎週ショートショートnote

 12月。庭にある大きなヒマラヤスギに飾り付けをするのが恒例だが、今年はあまりにも忙しく無理そうだ。
と、言う事で、俺は家族のために、AI執事に頼み事をしていた。
 俺は仕事から帰ると、そのまま庭にまわりツリーのそばに行った。
「なんだこれは。品のない飾り付けだな」
「父、一番上に☆がないの」
俺は上を見上げた。確かに無い。
「ちぐはぐだな」
「父、色々なオーナメントが欠けていたり、擦り傷がついていたりするの」
俺は手の届く所にあった汽車を手に取った。
よく見ると、車輪がひとつ取れ掛かっている。
汽車の背中部分に小さい文字で“修理中“と出ている。
他のオーナメントにも、修理中の文字が。
「これは、どういうことだ、執事」
「はい、旦那様。オーナメント達も楽しめたらと小さなお声が聞こえましたので、そのような仕様の物にしました」
俺は、仕様書が広がったスクリーンを眺めた。
そこには、“一番上が☆だと誰が決めたのか、一番上は争奪戦とインプットしたオーナメント達を取り揃えました“と、記載があった。
 「父、私はやはり一番上は☆がいいです」
                            (450文字)

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皆様、今年も私の作品を読んで頂き、本当にありがとうございます。
どうぞ来年も宜しくお願いいたします。
それでは、よいお年をお迎えください。

(画像のイラストは、「イラストAC」様よりお借りしました)

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