【 人生は洗濯の連続 】#毎週ショートショートnote
「そこの人、聞えますか?」
穏やかな男性の声がした。
俺は登山の最中だ。もうすぐ暗くなる。テントを張る場所を探していた。
俺はすぐに返事をせず、周りを見渡した。誰の姿も見えない。
また、声がした。
「あの、そこの人。あなたは、もう洗濯をするものがありませんよね」
え、なぜ、その事を。だから、俺は山に入ったというのに。
「もしかして、死神さんですか?」
「分かっちゃいましたか」
「本当だったんだ。洗濯が増える洞窟へ行く人を、阻止する死神が出るというのは」
「都市伝説ではありま