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【 戦国時代の自動操縦 】#毎週ショートショートnote

 ある日の夜半。京と宇尾城のまわりが明るくなった。昼間のようだ。
空には光る球体が、二手に分かれ多数浮かんでいた。
「何だ、これは。一体どういう事だ」
俺は空に向かって叫んでいた。すぐに空からひとすじの光が降りてきた。
あれは以前、俺に会いに来たモノだ。
「殿様、今から戦(いくさ)が始まります。天守閣より見ていてくだされ」「何をした、前線の足軽に」
足軽たちが命令もしていないのに、空の球体と同じ配列で並んでいる。
大声を上げても、誰も見ようともしない。一体、どうした事だ。
「殿様、大丈夫です。私にお任せください」
モノは光に包まれ、球体に戻っていった。
 すぐにほら貝の音がし、空の球体が動いた。
何と、下にいる足軽も同じように動き、鉄砲を撃って攻撃している。
足軽が倒れると、空の球体が飛び去る。
空の球体が動き、足軽も同じように動く。
何度も、何度も、繰り返された。
俺は、唖然とした。これは、もしかして・・・、いや、まさかな。
                            (402文字)

(イラスト:イラストボックス様とイラストAC様よりお借りいたしました)



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