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売り手と買い手は対等な立場であると、しつこく言いたい

先日仕事先でブチ切れて怒鳴って店員を叱りつけ帰られたお客さんがいました。
その理由は私たちのサービスに対してお客さんが満足されなかったということなのですが、どうやらお急ぎだったようで、お年賀の贈り物のために箱詰めと包装を依頼したのに、こちらの包装作業が遅すぎた、追加で買った商品もついでに個別にすべて包装してもらおうと思ったのに、こちらの作業が遅すぎたせいでそれすらもしてもらえなかった、許せないという感じでした。

途中からイライラした表情を浮かべ、怒り出し、大声を出し、店員を叱りつけ、さらに怒りがエスカレートし、「もういらない!」「帰る!」と叫び店を飛び出しました。 

こちらはポカーンでしたが、とにかくお客さんを追いかけてお詫びをしながらも、返金について申し伝えれば益々キレて、怒りに拍車を掛けました。火に油を注いでしまったわけです。「遅い!」「包装をやったことないの!?」など再び説教をはじめたのです。

確かにこちらの作業が遅かったのは本当ですし、状況判断が間違っていたことも反省しています。

しかしお客様は最初から急いでいるとも言っていなかったし、そのような素振りは途中までは一切見せていなかったし、お年賀用の包装も追加で購入した商品すべてにするなんて一言も言っていなかったと思います。
それなのに急に時間がない、駐車場の時間が迫っていると怒り出したのです。
もちろんこちらが最初から気を利かせて、急いでいるか、全部包装するのかをお客さんから聞き出す必要せはあったかもしれない、こちらのコミュニケーション不足、確認不足だったのかもしれない。

それでも、それでも、そのような状況でも、お客は店側に対してブチ切れて怒って罵ってもいいのでしょうか? そのような態度はおかしいと私は思っています。なぜそんなに上から目線になれるのでしょうか。

商品を化粧箱に詰めるのも、包装のサービスもすべて無料で提供しています。
一件のお客に何個も包装をお願いされると、その場にいるスタッフ総出でやらなければならないから、他のお客との接客の機会を逃してしまうことにもなります。それでもそのお客様のためにこちらは一生懸命頑張ってやっているのに、あのお客の態度はおかしい。店側がお客さんから見て弱い立場だからと言ってあんな態度を人間に対してとっていいものでしょうか。

お客の方がわざわざすべての要望を詳しく言わなくても、店側が事細かに気を配り察しろという意味でしょうか。「〇〇致しますか?」「〇〇致しましょうか?」とその都度オファーをするのが当たり前、素早く迅速になおかつ完璧に作業して仕上げるのが当たり前、そしてそれが無料であることが当たり前だとサービスを受ける側は思っているでしょうか。

いやそれだったら有料のサービスにしなきゃおかしいでしょ、といつも考えます。

しかしそれはデパートのような大手の企業ならば出来るかもしれませんが、中小企業ではそのようなシステムにすると不利になってしまうのが現状だと思います。

日本人の客の意識は 売り手より買い手の方がエライという考え方があるというのが、今回の出来事でさらにリアルに感じ取ることが出来ました。
絶対的にまちがっている「お客様は神様」という文句を信じ切っているということだと思います。絶望的です。最悪です。

日本以外の海外の国だと、売り手と買い手は対等だと考えているところが多いようです。確かに海外のお店に行くとスタッフも愛想のない人がけっこういるし、それでも何の問題もないみたいですし、労働時間も日本よりずっと短くても、日本よりも生産性が高い国もあります。

日本人が過剰なサービスをあらゆるビジネスに求めすぎるのが原因なんですよね。その欲求が様々なブラック企業を生み出しているというのは本当だと思います。

日本人が売り手と買い手に対する変な考え方・意識を変えていけば、サービス業界でツラい仕事をしている人たちが、少しはその状態から解放されるのではないかと思うんですけどね。

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