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【シロクマ文芸部】熱い吐息を耳元で


「月の耳は弱点なんだよな」
 空は意味ありげに微笑んで、あたしの耳たぶを甘噛みする。もう、そんな事をするのはやめて欲しい。あたしは、そんな事をされるとゾクゾクして全身の力が抜けてしまう。そんなあたしを気にする事無く、空はあたしの顔を両手で包み込むと耳元に顔を寄せて吐息混じりに囁いた。
 「愛してるよ、月…」

 空の言葉がスイッチとなり、あたしは空にしがみつく。
 「まだまだお楽しみはこれからだよ、月」
 あたしの唇に執拗に口づけると、またあたしの耳に熱い吐息を吹きかける。もう、やめて。あたし、どうにかなっちゃいそうよ…。やめて欲しいのに、これから先あたしに起こる事をカラダが予想している。

 「さあ、こっちへおいで」
 空があたしの手をとり、ベッドへ連れて行く。これからあたしはどうなってしまうんだろう。今まで知る事の無かった世界を、空が見せてくれるのだろうか。耳に感じる熱い吐息は、あたしの全身の力を抜いていく。もう空に対して抗う事はできない。あたしは、これから新しい世界の扉を開くのだ。愛する空と一緒に。

 ベッドのそばの窓に吊るされたカーテンの隙間から夜空に浮かぶ大きな満月が妖し気に輝くのが見えた。


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小牧幸助さんのシロクマ文芸部に参加します!
今週のお題は「月の耳」です。

今週のお題も難しかったです・・・(;'∀')
ちょっとだけ官能的なお話になっちゃいました。
普段は、あまりこういうのは書かないんですけども。
でも、なんか、書いてて照れますw



今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪



#シロクマ文芸部

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