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本当は友達じゃなかったのかもしれない


その日、私は実家に向かって車を走らせていた。

もう少しで実家だという地点で、走行していた国道を中に入ってみようかと思いながら、入らずにそのまま国道を直進した。中に入った場所に何があるのかといえば、高校の時の友達の家だった。
その日、私は実家に行こうと思った時から、なぜか友達(以下Mさん)の事が頭に浮かんできた。

Mさんとは1年生の時、同じクラスだった。1年生の時のクラスは性格のいい子が多く、女子はみんな仲が良くて楽しいクラスだった。どういうきっかけだったのかは覚えていないけれど、いつの間にか私たちは同じグループになっていた。

Mさんの中学からは女子は一人だけしか来ていなかった。だけど、そんな事は気にならない程、前から友達だったみたいにすぐ仲良くなれた。そして、学校では部活入部を推奨されていたので、私たちは楽そうな部を選びとりあえず入部した。その部活友達として、他のクラスの子も交えて親友のようなグループになった。

私たちは、あまり真面目な部員ではなかったので練習にも出たり出なかったりだった。なので、部活に行かない日はみんなで街をうろうろして帰ったり、誰かの家に遊びに行ったりで楽しい放課後を過ごした。また、休みの日にもみんなだったり、2人で遊んだりもした。

Mさんは、一見物静かな感じはするけど、話していて面白い子だった。中学の時に若干やんちゃなグループに入っていたらしく、中学時代の面白い話を聞かせてくれた時、笑えたんだけど少し違和感を感じた所もあった。

それでも、そんな違和感が吹き飛ぶほど、私たちは毎日一緒に過ごした。

何回かはMさんの家にも遊びに行った。Mさんの家は私が住む所からは車で20分くらいの所にある。ちょうどうちの近くのバス停から行く事ができたので、ちょっとした遠出の感覚で遊びに行った。

Mさんはおばあちゃんと2人で住んでいた。土間のある広い家に2人きりで。
どういう経緯でおばあちゃんと2人暮らしなのか聞いてみたかったけど、聞く事ができなかった。それは同じグループの他の子も同様で、誰も聞けずにいた。
時折Mさんのお姉さんが来ていたようで、お姉さんのお子さんと一緒に撮った写真がまだ手元に残っている。

そういえば、Mさんはあまり自分の深い事を話す事はなかった。自分からは話さないし、聞かれたくないオーラを出していたようにも思う。なんとなく、見えない壁を感じるような、そんな感じがした。

Mさんの家に遊びに行った帰りに、おばあちゃんが手作りの漬物を持たせてくれた事がある。その漬物はとても美味しくて、うちの家族であっという間に食べてしまった思い出がある。
いつも私たちに「みんなかわいいねぇ」と言ってくれた。
おばあちゃんは、Mさんの事がかわいかったんだろうなと思った。だから、私たちにも良くして下さったんだと思う。

やがて学年が上がると、今度はグループのみんなはクラスがバラバラになった。それでも、放課後は一緒に遊んだり、たまには部活に行ったりして過ごした。

その頃、私たちはMさんのおかしな噂を耳にした。その噂は嘘だろうと思いつつ、やけに真実っぽく出回った。私は以前感じた違和感と共に、これは一体どう捉えるのが正解なのか考えた。
考えたとて、世間知らずの高校生の頭で考える事だ。つい、私は噂は本当なんじゃないかと思ってしまった。そして、表面上は普通にしていながらも、どことなくそういう目で見てしまう自分がいた。

そんな事もあり、クラスが代わり新しく仲良くなった人もできたりで、少し疎遠になったように感じることも増えた。

そんな時、Mさんと同じ部活グループだったもう1人の子はバイトを始めたのだった。うちの学校はバイトは禁止だったので、当然こっそりとバイトをしていたようだ。2人は楽しそうにバイト生活を送っている。
私ともう1人の子は、少し置いてけぼりのような気持ちになった。

そのうち、その2人に彼氏ができたようだった。バイト関係だったのかと思うが詳しくは分からない。聞きたくなくて聞かなかったからだ。
バイトと彼氏でますます私たちとは距離が開いたように思った。結果、もう1人の子と遊ぶ事が増えたような気がする。
それにしても、やっぱり恋愛が絡むと女の友情は脆いのだなあとその時実感した。

3年生になっても、やっぱりみんなクラスはバラバラだった。
相変わらず部活も行ったり行かなかったりで、その頃には前ほどにはベッタリした付き合いはしなくなっていた。私自身も新たに仲良くなった人ができたし、それは他の子も同じだったと思う。
それに、私は基本のグループに入っていても、違うグループにも仲良しの人がいてあちこち回って過ごす事もあった。あちこちに居場所があるというのは、色々な意味で風通しが良くて楽に思えた。
それが私なりの処世術なんだと思う。

そんなこんなで、部活も終わり、進路も決まった。

Mさんは卒業後は県外に行く事になった。
でも、私たちはいつまでも送別会もせず、結局そのまま卒業してしまった。同じグループで仲良くしていたのに、なんて薄情なのだろう。
私はMさんと高校を卒業してから1回も会っていない。電話はおろか、手紙も年賀状も書いた事はない。そもそも連絡先も聞かなかったのだ。

私たちは、本当に友達だったんだろうか。
それがずっと何十年も頭のどこかにこびりついている。実家に行ったり、どこかに行く時にあの辺りを通る時、時々思う。
どうして私たちは疎遠になったのだろうか。私は、おそらくMさんに嫉妬していたんだと思う。
私たちは、本当に友達だったんだろうか。Mさんは私の事を覚えているのだろうか。

そんな事を思った雨の日のドライブだった。


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ここからは少しおまけです。

実家の帰りにスタバに寄りました。
私の情報源の1つである次女が絶賛オススメしていたドリンクを飲もうかと思いまして。

日曜日のお茶時間のスタバは何故にあんなに多いのでしょう。
駐車場に車が停められなくて、邪魔にならない所で待機して数分待ちました。空いたら速攻で危なくないよう気を付けてそこに行き、ハザードを点灯させて無事に駐車できました。


果肉も入っていて(゚д゚)ウマーです⭐

バナナブリュレフラペチーノです。
それをチョコバナナ風のカスタムをするのがいいとの事で、チョコソースとチョコチップを追加しました。
すっごーくおいしかったです!
そのまま飲むより、カスタムして飲んだ方がいいみたいです。
キャラメルバナナ風のカスタムもおいしそうで興味があります。




今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪


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