【毎週ショートショートnote】桜回線
「これ、桜にやるよ」
そう言うと、しんちゃんは私に紙袋を押し付けてきた。中を見てみると紙コップ…いや、糸電話が入っている。それには、“桜回線”とマジックで書いてあり、桜のシールがたくさん貼られていた。
「これ何?」
「見た通りの桜回線だよ。これから先、桜がキツイ時はこれに話し掛けろよ。そしたら、俺すぐに駆け付けるから」
「糸電話なのに?LINEした方が早くない?」
「バカだなぁ。好きな子の事は離れていてもすぐに分かるさ」
卒業式の20日後。呼び出された公園では桜がそこらかしこで咲いている。ふんわりとした風が吹くと、花びらがひらりひらりと舞っている。
バカね。私だってしんちゃんの事は離れていてもすぐに分かるんだから。
+ + +
「ただいまー!」
「お帰り」
「お帰りなしゃい」
ベランダから外を見れば、川沿いの桜並木は満開だ。あの時みたいなふんわりとした風が吹くと、桜も気持ち良さげに揺れている。桜回線はずっと故障知らずで私としんちゃんを今日も繋いでいる。
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毎週ショートショートnoteに参加します💛
今週のお題は「桜回線」です。
魅力的な台詞で始まるお話というオプションもあります!
今年は、桜の開花は遅れ気味みたいですね。
もうそろそろ、でしょうか🌸🌸
可愛らしいお話は、書いていても楽しいですね(o^―^o)
今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪
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