綾瀬さんと真谷くん47「昼休憩」

休憩スペースで響と井崎さんとで昼ご飯を食べていると樫野さんとその同僚の会話が聞こえた。
「あの子が言ってた真谷くん?」
「そうそう。私の彼氏の弟でね」
「あの凄かった子の弟?」
「そうそう。 3人兄弟って言ってたでしょ? その一番下なの」
「あぁそうだ思い出した、かなおちゃん。 ほんとあれ凄かった。 」
「鬼気迫る勢いで誤字脱字どころか言葉の誤用の指摘までしてたものねー」
あぁ。名前に聞き覚えがあると思ったら兄ちゃんの彼女だったのか。
というか姉ちゃん凄いな。将来はライターにでもなれると思う。
「その真谷くんは彼女とか居るの?」
「うん。 高一の時から付き合ってるらしいよ」
樫野さんお願いですからあまり情報を流さないでください。
「優、顔少しひきつってますが大丈夫ですか?」
「あ、うん大丈夫だよ」
響に心配されちゃったなぁ。
「大丈夫なら良かったです」
「校正って結構大変だな」
「そうですね。誤字脱字があっては良くないですしそれを直していくのが大切なのがよくわかりました」
「私はこういう間違い探しみたいなのはよくやってたのであまり大変じゃなかったです」
「そうなんだ。  」
昼ご飯を食べ終わり、まだ少し時間があったので雑談をした。
昼休憩も終わり、残っている分の仕事を再開する。ちらっと隣を見ると、井崎さんがテキパキと目を輝かせながら校正をしていた。
案外可愛いところもあるんだな。
思わず見続けていたら横から強い視線を感じた。
視線の先に目を向けると響が真顔でこちらを見ていた。
「優?よそ見してる場合ではないですよね?」
響から圧力を感じた。
「ご、ごめん」
残っていた分も終わり、校正し終えた原稿用紙を樫野さんの所へ持っていく。
「終わりました」
「はい、お疲れ様休憩してていいよ」
「ありがとうございます」
休憩スペースで休んでいると響と井崎さんが来た。
どうやら2人とも終わったみたいだ。
色々と雑談をしていると学校へ戻る時間となった。
「今日は貴重な仕事の体験をさせていただきありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます。 これをきっかけに出版社の仕事について調べてみるのもいいと思います」
学校へ戻ると体験先でどんなことをしたかのアンケートをした。
正直早く帰りたい。
アンケートが回収され、学活をして解散となった。
「出版社の仕事どうだった?」
「大変でした。 でも楽しかったです」
「僕も同じ感想だな」
雑談をしながら響と帰路に着く。
程なくして響の家に着いた。
「それではまた明日学校で」
「うん。 また明日」
響が家に入ったのを確認してから自分の家への帰路に着いた。

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