綾瀬さんと真谷くん26「課題」

夏休みも残すところ約半分となった頃、夏休みの課題がある程度残っていたのを思い出した。
1人で課題やるのも寂しいし、響と一緒にやるか。
そう思い立った僕は響に電話をかけた。
「響〜明日図書館で一緒に課題やらない?」
「明日……ですか? 」
「うん」
「明日は特に予定はないですし良いですよ」
「朝10時に集合でいい?」
「了解です」
「ありがとう。じゃまた明日」
そういって電話を切った。

翌日、響と一緒に図書館へ向かった。歩いて20分くらいのところにあるのがありがたい。自習スペースもあるし。
「へ……へくちゅっ!」
館内へ入ると冷房が強い気がして思わずくしゃみをしてしまった。
「どうかしたの? 優?」
「いや……なんか冷房キツくない?」
「そうですか? 私はちょうどいいくらいだと思いますが……」
「そっか」
僕には肌寒く感じたけどな……まぁいいや。
空いている席へ向かい、課題を机に広げて取り組み始めた。
課題に取り組んでいると、響が分からないところを聞いてきた。
「優、ここの問題どうやって解くの?」
「えっとここはね、へ、くちゅんっ! こうすればできるよ」
「ありがとう」
んー、肌寒いなぁ……やっぱここ冷房きつい……
そう思いつつも自分の課題も進めながら時々響に教えたりして進めていった。
「へ……へ、へっくちゅっ!」
「大丈夫ですか、優?」
流石にここまで寒いと集中できない。他の人は気にならないのかな。それ以前に省エネの観点からどうにかした方がいいと思うけど。
「あぁ、大丈夫だよ……」
もうちょっと寒くないところでやるべきだったな。
「寒い、んですか?」
「……まぁ」
我慢できないほどじゃないんだけど……上着持ってくりゃよかった。
「っ! えっ、けほけほっ、ん⁈」
いきなり響が抱きついてきた。あまりに驚いたのかむせちゃったよ。
「へへ、これならマシですか?」
「う、うん。ありがと」
あー、びっくりした。
数時間後━━
「あ~やっと終わったぁ~」
「お疲れさま。優」
「ありがとう響」
外を見ると、空が赤くなっていた。
「もうすぐ暗くなるし帰ろっか」
「わかりました」
あぁそうだ。
「来週にはさ、姉ちゃんが大学の寮に戻るからうちで勉強しない?」
兄ちゃんなら安全だし。
「そうですね。お邪魔しても良いですか?」
よし、次の約束も取り付けられた。なんやかんや今日は楽しかったな。

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