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絶望は、殻を破って新しい自分になるチャンス

「先行きの見えない時代」
そんな言葉をこの数ヶ月で何回聞いただろう。

この先どうなるか分からない。
不安定で、確証もない。
自分が宙ぶらりんな気がする。
不安を打ち消そうとしても、
もやもやが残る。
楽しいこともあるけれど、
その根底に流れているのは言い知れぬ恐怖。
日々心配が募る。その気持ちに侵食される。
早く元に戻ればいいのに、そう焦る。

そんな気持ちの断片が、SNSやメールから日々発せられていたように感じていた。

一方で私は、比較的心が落ち着いた日々を送っていた。それを、私は、松本にいるからだと自分の中で決着していたのだけど、もうひとつの要因に気が付いた。

「先行きが見えない」ことに由来する上に書いたような感情を、私はもう経験済みだったんだ。

私にとって世界がひっくり返ったのは、2016年のこと。信じ切っていた人が、どうやらもう違うらしいと知ったときのこと。それまで、絶対的な安心だと思っていた場所は、180度変わってしまった。いつまでも続くと思っていた日常は、なくなってしまって、足元からすべてがガラガラと崩れ去り、闇の中をふらふらとした足取りで、どこに向かっていいのかも分からずに進んでいかなくてはいけなくなった。頭をがんと打ち付けたような感覚。お先真っ暗。

それからしばらくは、楽しいこともたくさんあったけれど、心の中に、どこか影を落としていた。一番避けたいと思っていた離婚という形を、自信を持って選択できるようになるまで。

その間私は色々な勉強をした。心のこと、仕事のこと、芸術のこと、人間関係のこと…違うことを学んでいるようでいて、結局繋がるものだ。まだその道は途中だけれど、見えてきたこともたくさんある。

そのうちのひとつが、自立だと思う。
自立といっても、経済的なことや、すべてを自分で抱え込むようなことを意味するんじゃない。自分の足で立って、自分で自分の人生を選んでる意識を持つ、そんなこと。

数年前の私は、自分の足で立てていなかったのだと思う。だから、目の前が真っ暗になり、足元にあるものが崩れ去ってしまうように感じたんだろう。私の足元にあったのは、私が築いたものではなかったから。

そもそも私たちのまわりにある環境は不安定なもの。天気も変わる。長い年月をかけて侵食されて崖ができることもあれば、一回の噴火で地形が変わることだってある。この先はいつも同じだという、その前提で生きることこそが苦しい。そのことを、覚えておきたい、そう思う。

世界がひっくり返ったあの日から私は、もともと不安定ですべてが変わりゆくこの地球で、流されては行く先々で興味を惹かれるものに出会ったり、近くまで流れてきた友達と遊んだり、時には岸で日光浴をしたりと、自分を環境に適応させながら、どんな風に愉しい時間を過ごすことができるかを面白がって生きるようになった。必要なのは、泳ぐための筋肉と、身を任せる柔軟さ、それから直感力と行動力、かな。

先が真っ暗闇に思えても、いつかまたお腹の底から笑う日は来る。もうダメだ、この世の終わりだって、そう思う日もあるだろう。でも、それは、脱皮するチャンスと思えばいい。これまでの自分のやり方ではうまくいかなくなったなら、殻を破って、新しい自分になればいい。

人生で一番、思いもよらないことが起こったあの日から、私は少しずつ殻を破って、本当の自分を取り戻してこれているんだと、今は思う。



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