アマゾンの新種“スーパーフード”と持続可能な開発<#2017.5.31 業界向けコラム掲載記事>

(旧タイトル:「アマゾンは”スーパーフード”の宝庫!新種の“スーパーフード”『アランブラッキア』とは?」)

■新種スーパーフード「アランブラッキア」とは?
巷では珍しいものとして認識されていることが多い“スーパーフード”。
これには、南米やアフリカなど亜熱帯地域で自生または栽培されている作物が多くあり、その抗酸化力に関する研究がなされ、原産地以外の先進国で産業が発達しています。

今回は、まだ未開の?スーパーフード「アランブラッキア」についてです。
アフリカのタンザニア周辺で自生するアランブラッキアは、その木の実を加工して「アランブラッキアの実オイル」として、アイスクリームや植物バターなどの原料として使用されている原材料です。アメリカでは近年、機能性食品として業界で話題になっています。
スーパーフルーツに分類されるであろう「パンノキ」も栄養価が高く、バターやマーガリンの代わりにパンに塗って食べる食べ方がオススメされていますが、同じようにアランブラッキアの実オイルもそれ自体をパンなどに塗って食べることもできます。

アランブラッキアの実オイルに含まれる抗酸化成分と、プラント・ベーストのトレンドから、消費と産業利用に注目が高まっており、ビューティーフードの分野からもとても注目しています。

また、アランブラッキアの木が絶滅危惧種に指定されていることから、持続可能な産業利用が実行されています。
2000年頃、グローバル消費財企業であるユニリーバ(Unilever)が、自社製品に使用可能な油の新しい原料として、アランブラッキアの種に大いなる可能性を見出し、社会的かつ環境保全に意識的なやり方で種を購入することを試みました。ユニリーバは、小農地所有者達によって栽培される種から抽出した油を購入するために具体的な公約を提示し、提携企業にバリューチェーンの整合性について求めました。2002年、油の持続可能な製造を保証するために、Novellaの前身であるアランブラッキア合名会社が設立されました。ユニリーバからなる官民パートナーシップや国際連合(IUCN)など様々な企業や国際機関が連携し、10年以上にわたりこのプロジェクトに取り組んできました。
そして、10年の取り組みの結果、アランブラッキアは滑らかなマーガリンとして、ようやくヨーロッパ(特にスイス)の小売店の棚で見かけるようになりました。アランブラッキアの消費によって、長期的な開発とそれが生育する地方コミュニティーの不足回避に貢献する機会となりえます。その油は、持続可能で、ローカルコミュニティーの新しい副収入源になりうる、価値ある農産物となるでしょう。これらの共同体が持続可能な方法でその製品の品質を高めることができれば、地元の居住者と環境の多方面に利益を増やすこともできます。

いまでは、SDGs先進企業の一つにあげられるユニリーバ。こういった具体的取り組みこそ、注目されるべきことではないでしょうか。

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