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髪結い狂騒曲

髪を結ぶのが得意ではありません。

私は子供の頃から髪を伸ばしていることが多いのですが、とにかく、ヘアアレンジというものが苦手です。
ただ、ポニーテールをするだけ、みつあみをするだけのことができない、非常に不器用な手先をしています。

これには他人より髪の量が少ないとか(「一番安い練習用ウィッグみたい!」と美容師さんに言われたことがあるぞ)(どうしてもバレッタから髪が落ちるんです!と言ったら「毛が少ないからですね」と言われたこともあるぞ)、まとまりにくい直毛の猫っ毛であるとか、後頭部が絶壁であるとか体質的な要因もあるのですが、それでも私の姉(元美容師)などは私の髪を器用に結ってくれていたので、やはり、自分の不器用さに起因するものが大きいのでしょう。

ところで私はADHDという発達障害を持っていますが、発達障害かどうかを診断するスクリーニング検査には「微細運動」「粗大運動」という項目があります。
ごくごく簡単に言うと、微細運動というのは指先を使う細かな運動、粗大運動とは身体全体を使った大きな運動のことを言うそうです。

検査では子供の頃の通知表を提出したりするのですが、私は小学1年生からずっと体育の成績は「1」か「2」の最底辺。
微細運動については、食材を細く均等に切ったり、字を丁寧に書いたりすることが非常に苦手です。
と、いうような検査をするうちにふと思ったわけです。

「もしかして、髪が結えないのは微細運動の苦手さが関係しているのでは……!?」と。

おおなんということでしょう。
それなら仕方がないわね~!!まともに髪が結べなくても死ぬわけじゃないし~!!


と、若干楽観的になりましたが、実はこの微細運動、発達障害者でも訓練すればきちんと養われるらしいのです。
その証拠に、私は、箸使いはきちんとできますし(食べるの大好き)、幼少期に毎日毎日ひたすら描き続けたおかげで少しは漫画絵が描けます。
その特技を活かして、今はネイリストなんかもやっているわけですし……。

つまり、細かい作業に関しては、毎日時間を掛けて練習すれば人並み以上にきちんとできるようになるわけです。
※障害の程度と特性の素養によります。できない人がいても責めないでね!


思い返してみると、私は、昔から自分の髪型というか自分の容姿にほとんど執着がありませんでした。
中学生くらいまでは、前髪にガッツリ寝ぐせがついていてもまったく気にせず学校に行っていた……。
同じ年ごろの女の子は、中学生、いや早ければ小学生のうちから、ダイエットしたり爪や髪を整えたり、洋服をコーディネートしたりしていたことでしょう。
私はそういった自分へ手間暇を掛ける時間のすべてを費やして本を読んだり絵を描いたりしていたわけで、その分野で多少他人より秀でているぶん、他の女性が当たり前にできるはずのお化粧やヘアアレンジなどの作業が訓練不足、ということなのでしょう。

これはある程度は仕方のないことだとしても、充分反省の余地がある。
もうれっきとした中年であるのだから、それなりに手を掛けて身なりを整えないと容姿は衰えてゆくばかりです。



というわけで、最近は、お化粧を研究したり、見栄えのする髪型を勉強したりしておりますが、髪を弄るのだけは未だに苦手です。
だって、後頭部って目に見えないじゃん……。


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