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悲嘆と夢想

この5年間、よく生きた。
自分よりも大切な息子を亡くしてしまう、
という大きなショックとトラウマと共に生きた。

自責と後悔と悲嘆の日々を生きぬいた。


グリーフには、以下のようなステージがあるという。

キューブラー・ロスによる死の受容過程


そして、心と感情は、
以下のような悲嘆の4段階のプロセスを経て
回復へと向かう、という。

①心の麻痺の段階
ショック
死の事実を認めたく無い

②切望と悲しみの段階
落ち込みや悲しみ寂しさ
故人を探し求める
故人に会いたい
故人が生きているような思い

③混乱と絶望の段階
強い罪悪感や怒りと非難
死の現実に抵抗する
不眠、悪夢、引きこもり、強い孤独感

④回復の段階
故人が居なくても、
人生を立て直す事が出来ると実感が持てる
生きがいや、社会的役割を、再発見する


この段階が、順番に訪れるわけでは無い。

グリーフから回復に向かう方法は、
遺族の数だけある、といっても過言では無い。


今、自分が、どの段階にいるのかを
知っておく事は、とても重要だ。

そして、今は、次の段階へのプロセスであり、
回復という最終段階は、かならず来る、
と知っておく事が必要だ。


絶望や抑うつの期間の苦しさは、
例えようもなく、
経験したものにしか分からない。

回復を得る前に、自らも死を選ぶという
最悪のケースもある。


その頃の私は、
「生きてるだけで金メダル」と唱えながら
ただ、息をしていた。


グリーフという、感情の嵐を経験している人は
故人の存在しない現実で、
グリーフとは関係なく生きている、
自分のまわりの人々と共に、
やがて笑顔の仮面をつけて、
何とか生きてゆく術を身につける。


笑顔やポジティブであることが、
社会の求めることだから、仕方が無い。


しかし、1週間に一度で良いから
グリーフのミーティングに行ったり
カウンセリングを受けたりして、
自分の悲しみを、完全に受け入れ、
自分を赦し、自分をいたわる時間を設けよう。


そして、どんなに小さな事でも
出来る事は感謝して、行おう。


私の場合は料理だった。
出来ない日も多かった。

そして、Xでの人との交流で、
自分は一人では無いと感じ、
癒やしの場となった。


1日中、ベッドから起き上がれず
涙が止まらなかった日々も経験した。


それで良い。


大切な人が居ない世界は、
悲しく、苦しい。
会いたくてたまらない。

そういう気持ちを、隠さず
せめて、自分だけは、認めてあげよう。

悲しいよね…
辛いよね…
会いたくてたまらないよね…


少し気持ちがおさまり、
でもまだ、
ベッドから起き上がれずにいた頃は、
スマホで、数独やパズルをした。
その時間は何も考えずに、時間が過ぎたから。


愛する人が居ない世界を生きる為、
ゲームにハマっても
それは、怠惰でもレイジーでもない。
何とか、生きる為の手段だからね。


インスタで、いいなぁーと思う映像を集めた。
ガーデニング、
サワードウブレッドを焼く、
自然と共に生きる、


ベッドの上で、想像を膨らませた。


それから、Xの友達で
朝活している人、
早朝マラソンをしている人、
noteを毎日投稿している人、
そんな素晴しい人々を素直に尊敬した。


自分を批判しない。
自分と比較しない。
自分が、出来るか出来ないかなんて
考えなくて良い。


ベッドの上で、理想の自分を、夢想する。


これって、結構パワフル。


回復期に入った私は
引きこもり時代に夢想した
理想の私に、
少しずつ、
少しずつ、
近づいているから。

涙が枯れるまで泣いたら、
理想の自分を、
好きな自分を、
夢想してみよう。


考えたことは、現実になる。

だから、
苦しい時ほど、
思いっきり、
素敵な自分を
夢想して!

大丈夫。

生きる事を諦めないで!

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