見出し画像

そこにしかない。あの味が忘れられない温泉宿


こんにちは。
温泉ジャーナリストの植竹深雪です。

湯旅において。
貪欲に湯を求めて湯巡りをしても
やはり食って大事だなと思うんです。

旅の土産話、思い出として深く刻まれがちなのは
そこにしかない体験、味・・・

はじめに



自身のサービス向上のためのお勉強として、
これまで1000泊以上ホテルや温泉宿に宿泊してきましたが、
あまたある中で記憶に残る、また行きたい、恋しいなと思うのは、
やはりその土地でしか食べられない口福体験ってかなりあると思うのです。

すっかり胃袋を掴まれたお宿は、またリピートしたくなる・・・

珠玉の逸品があるお宿って
ものすごく魅力的。

地元の名物食材を使ったアレンジ料理。
意外な発見。
ありそうでなかった組み合わせの斬新な創作料理。

記憶にめちゃくちゃ残ります。
思い出して、またリピートしたくなる・・・

これからご紹介するのは、

絶景や温泉が切り口ではなくて、
温泉旅館のあの味はサイコーだったと何度でも語りたくなる、

そんなお宿をいくつかご紹介したいと思います。

😊

今回1泊1人通常で5万以上する
セレブ感たっぷりのハイクラス宿は除いています。

その土地の日常でよく目にする食材、
旬の食材をあっと驚くサプライズ感があったり、
アイデアも素晴らしいな、と思ったところばかりです。

ちなみに忖度は全くありません。

紹介してもわたしに1円も入らないけど、
こんな切り口で温泉を楽しむ方法もあるよ、

ということと同時に、

お宿の皆様にこんな視点もあるということを思っていただけたらいいな、と。

食メニューの参考にしていただき、
地域の食をデザインするお宿が増えてたらいいな、という
日本のお宿への深い愛と思いをこめて・・・

それではご紹介します〜

・豊富温泉川島旅館 バター

【所在地】北海道豊富町
【エントリー】とよとみフレーバーバター
【お宿一言メモ】モダンな湯治宿

画像1

日本最北端にある温泉郷、豊富温泉。

ここはオイルバスが有名(試しに石油を掘ってみたら温泉が出たというところ)
なかでも川島旅館は、若女将さんのセンスが光るお宿。

湯の良さもちろん、食にも強いこだわりがあり、
地元の豊富牛乳を使ったオリジナルバターが絶品で。
夜のバターづくしの料理に感動しました。

バターづくしだけど
バターそのものがヘビーではなく軽め。ミルクが感じられるもの。

ハスカップやいちごなどスイーツ系のバターもおいしいけど、
山わさびバターとか雲丹バター、トリュフバターにメロメロでした。

このフレーバーバターはお宿で直接購入することもできますが、
全国各地の催事などでも見かけることが多いので
今でもみつけると購入しています。大好き。


・旅館すぎもと 蕎麦

【所在地】長野県松本市
【エントリー】信州十割そば
【お宿一言メモ】食へのこだわりが強い宿(オーナーがかなりの美食家)

画像3

信州でいただく蕎麦って、だいたいどこでもおいしいと思うけど
旅館すぎもとの蕎麦は、本当にまじでおいしい!塩でもいける!

食への探究心、こだわりが強いご主人自らが実演でそば打ちをする蕎麦。
出してすぐ食べないと「風味が落ちるから早く食べて」と注意されちゃうw
1日限定10食のみ。

旬菜、馬刺しも季節の食材を使った釜飯もすべておいしいのは、
ご主人が全国各地のおいしいものを知り尽くしていて。
相当の美食家というのもあると思う。

ちなみにお酒もかなり詳しくて。
地酒のセンスが抜群にいいお宿です。


・ふるさとの宿こばせ 開高丼

【所在地】福井県越前町
【エントリー】開高丼(香箱蟹ふんだんに使ったヤバイごはん)
【お宿一言メモ】冬は蟹づくしの温泉宿。レアな地酒も豊富。

画像4

蟹のメスせいこ蟹、香箱蟹は、
11月初旬から12月いっぱいくらいまでしか食べられない期間限定モノ。

内子たっぷりの香箱蟹ってそれだけでももちろん相当おいしいけど、
こばせでは、香箱蟹の外子+内子+蟹味噌をふんだんに使った”開高丼”という
名物料理がありまして。(開高健さんが愛したから開高丼と名がついた)

蟹の風味をたっぷり染み込ませたご飯が、言葉失うウマさなんです。

越前蟹づくしの膳はどれも無言になるウマさだけど、
腹パンになっても”開高丼”は絶対に食べたいごはん。

一生に一度は食べてみたい、って思っていたけど
開高丼の美味っぷりを知ってしまってからは、すっかり虜に。

予約が本当に困難すぎるけど、争奪戦に勝てたらぜひまた行きたい。


・水のみち・風のみち湯ヶ島たつた わさび鍋

【所在地】静岡県伊豆市
【エントリー】わさび鍋
【お宿一言メモ】伊豆で川床での食事が叶うという温泉宿はかなり貴重かと。

画像2

川沿いにあることを生かし、川床でお食事ができるという湯宿。湯ヶ島たつた。

食事処の雰囲気が良いだけではなく
伊豆の恵を存分に味わえる創作料理、地産地消の郷土料理がずらりと並びます。

なかでも名物なのが、天城の新鮮なわさびを使ったわさびの軍鶏鍋。

一見普通に見えるけど、
手前の大根おろしボールとわさびボールをたっぷり鍋に溶かして口に運ぶと、
これがびっくりするほどおいしくて・・・

ものすごく爽やかなおいしさ。
わさびの風味と大根、軍鶏の組み合わせがイイ!

ひたすら感動した鍋でした。


・淡路島うずしお温泉うめ丸 玉ねぎフォンデュ

【所在地】兵庫県南あわじ市
【エントリー】玉ねぎフォンデュ
【お宿一言メモ】魚づくしが魅力の絶景温泉旅館

画像5

淡路島の名物のひとつ、玉ねぎ。

淡路島産の玉ねぎって甘さが別格。

そのままの玉ねぎでも相当おいしいけど、
湯宿うめ丸では、玉ねぎを使った”玉ねぎフォンデュ”が名物料理でして。

お造りでも食べられる鯛を
地元特産玉ねぎをたっぷり溶かしたダシ汁にしゃぶしゃぶ・・・

甘い玉ねぎのスープに、ぷりっぷりの鯛がよく絡んで最高においしかった。

玉ねぎのスープは、シメのそうめんとの相性が抜群すぎでした。

ちなみにレタスも淡路島のもので。
このレタスも相当おいしかったです。シャキシャキ感がすごかった・・・


・産山温泉奥阿蘇の宿やまなみ 漬物バイキング

【所在地】熊本県産山村
【エントリー】約30種類の漬物バイキング
【お宿一言メモ】築100年以上の古民家を移築した秘湯宿がステキ

画像6

ここは、緑豊かな草原と田園風景が広がっていて。

まるで田舎のおばあちゃんちの原型なんじゃないか、と思う
素朴なおもてなしがめちゃくちゃ刺さる湯宿です。

なんだかホッとするんですよね。

名水百選”池山水源”の水を使った郷土料理。
山菜や産山牛、馬刺しなどどれもおいしいけど、
ここは女将さん手作りの漬物バイキングが名物となっていて。

山菜や旬の野菜を生かした漬物はどれもめちゃちゃおいしい!

夜だけではなく朝も登場する漬物バー。最高です。

すっかり胃袋を掴まれました。

・鶴の湯温泉 山の芋鍋

【所在地】秋田県仙北市(乳頭温泉郷)
【エントリー】山の芋鍋
【お宿一言メモ】非の打ち所がない秘湯温泉宿。素朴が染みる。

画像7

乳頭温泉郷の中でも一番人気の鶴の湯。

ここは温泉も足元湧出だし、
秘湯感たっぷりの雰囲気も酔えるほどステキなところだけど、
本当に非の打ち所がないんじゃないかと思う湯宿です。

食も地元の名物料理”山の芋鍋”が
鶴の湯では味噌仕立てとオリジナル。

山の芋だけで作った団子はもちもちの食感。
野菜や豚肉など具沢山で、味噌仕立ての汁との相性が抜群。
せりのアクセントもたまらない〜

何度でも食べたくなる芋鍋で。
病みつきになる味です。

もう20回以上行って食べているくらい大大大好き。
(日帰り入浴してからのランチでも山の芋鍋は食べられます)


そこでしか味わえない「ご当地感」が旅の醍醐味


以上が温泉ジャーナリストがガチで印象に残った、
忘れられないあの宿のあの味特集でした。

もちろん全て温泉がある、温泉宿です。

♨️

非日常。
その土地ならではの旬の食材でじぶんを潤す旅。

至福のひととき。
シアワセしかありません。

改めて見るとご当地名物を鍋にしたものが多いなあと
まとめながら気がついたけど、
ありそうでない組み合わせって
意外な発見が楽しくなりませんか?

ご紹介したお宿はかなり人気があるお宿ばかりなので
すでに予約困難だったりするけど、
推し食材のそのものが苦手ではない限り
きっと新たな扉が開くような気持ちを体験できるかと思います。

そんな風にこだわりの食でご自愛する温泉旅も最高ですので、
ぜひ参考にしていただけたら嬉しすぎます。

この記事を見ていただいたお宿の方やホテルの方で
ご当地の食材を使って新しいお店の顔となるような逸品のアイデアが欲しい…
そんな方がいらっしゃいましたらぜひ一緒に考えさせていただきたいです。


この記事が参加している募集

ご当地グルメ

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?