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Hちゃんはレッスン開始時刻の前に呼び鈴を鳴らして、いつものようにニコニコして入ってきた。 非常に耳が良い子で、読譜が得意になればおそらく恐いもの無しだろう。 高度な音感を育てるだけでなく聴音は読譜力とテンポやリズムを客観的に捉える力を鍛えられる。 ピアノのレッスンがスムーズに終わったので今日も書き取り聴音をやった。

そう、Hちゃんは、なんとか音楽家に育てたい生徒の一人だ。 良くできるのに、この子には気負った所が無い。そして優雅さと謙虚さを兼ね備えている。その上、小学生らしい子どもらしさや純粋さを持っているのだ。 Hちゃんがプロの音楽家になったら(もし音楽家にならなくても)たおやかな大人の女性になり、少々大変な事があってもへこたれないのではないかと私は感じるのだ。

この子の弾くピアノの音からも生まれつき備わっているらしい音楽家の素質が感じられる。 プロはピアノが弾けるだけではダメだ。他人の中で自分の役割を肌で感じることが出来るような、そんな専門分野の感性が求められる。

当然の事ながら他人の気持ちが解り、思いやりがなければ勤まらない。 これはピアノに限った事ではないだろう。
例えプロに育てなくても、生徒さんたちに、そういう情操教育を施していくことを私は私自身に課している。 そして、まず自分自身が一人前の音楽家であり、レスナーでありたいと思う。

最近、このような素晴らしい生徒さんたちが増えている事を幸せに思うと同時に重い責任を感じ始めている。
音楽教室の生徒さんたちだけでなく、お世話しているジュニアオーケストラの子どもたち、ボランティア先の子どもたち、故郷宮古で3.11の津浪に被災した子どもたち、被災していない子どもたちも、私たち大人が全力で見守り育てていかなければならないだろうと思う。

それでも当面は江戸川に根を生やし、子どもたちの健全育成のための環境作りを手がけたいと思う。私の身体が一つしか無いからだ。
だから、もちろん私と家族の音楽活動や、私の音楽教室の環境を真っ先に考えていきたい。

皆さん、今後とも乞うご期待であります!  どうぞよろしく(^▽^)/

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