オトナの女に私はなりたい
年齢を重ねると、人は省エネに生きるようになる。それがある種、自然な流れでもあります。日々、なんとなく目にする植物のような自然物と同様、人も日々枯れるように老いていき、死に向かって毎日を過ごしています。徐々に細胞内の水分も減ってシワが増え、さまざまな機能も衰えていき、筋肉もたるんでいく。けれど、その分、蓄積してきた知恵や経験を活かせるのが人間です。若い頃にはがむしゃらに体力・筋力を使って遂行してきたことでさえ、30代・40代になる頃にはそんなに体力・筋力を消費せずにできちゃったりします。むしろ、そんなに若い時のようにエネルギーを使えなくなるからこそ、その器用さを体得していくものなのです。
理学療法士の養成校時代にこれを最初にすごく感じたのです。高校からそのままストレートに入ってきた私たちと、社会人枠で入ってきた人たち。なんだかその勉強の仕方やテストに臨む姿勢って、全然違ったのです。我々高校からストレートに入った組は、もう、がむしゃらです。テストも徹夜とかしちゃったりして、テスト直前までそわそわ教科書を見続ける。とにかく数やって、数書いて、なんとか覚えていました。けど、社会人枠で入ってきた人は、まずなんだか余裕があって、テスト前にまずそわそわしてないですよね。そして、覚え方がスマート。何かに関連付けたり、つながりで覚えていたりして、やはりチームがむしゃらとは違う雰囲気が漂っているのです。これが俗に言う大人の余裕ですね。
そして、それは社会人になってからも、素敵な年上の女性にお会いするたびに、感じるところです。つい最近も、素敵な女性にオンラインでお会いして、すごい事業をやってる社長さんなのに、そんな社長感や、頑張ってます感、俗に言う交感神経っぽさやバリバリ感を感じないのです。ふんわり素敵な笑顔で、雰囲気も、生き方も、仕事に対する姿勢も、話し方も、容姿も、なんかどれもこれも素敵すぎます。
そして、その素敵を因数分解していくと、自分にはない【仕事や人生のスマートさ】に辿り着くのです。
もちろん40代になっても50代になっても、はたまた80代でも、エネルギーいっぱいに体力・筋力使って、ある意味ガテン系に仕事する方もおります。いつまでもエネルギッシュな人は、エネルギッシュなその自分のやり方で良いのです。
しかし、つい5年前くらいまでは毎週末、施術や講座で日本全国飛び回っていたくせに、年々、出張とか移動を伴う仕事に多少の億劫さを感じ始めている、しっかり老いを感じている私にとって、やはりいいなーって思うのが、スマートに仕事のタスクをこなしつつ、仕事だけではない、その素敵な人生を余裕の表情でスマートに生きている方です。
いつ仕事してます?とか、もう終わったの?って思う『できる女』なのに、全然頑張ってる感がなくて余裕があり、仕事に対する疲労感も全然感じなくて、なんなら結構な仕事量こなしながらもプライベートもしっかり楽しんでいるのです。ある種の器用さ、力の抜き方が上手なのでしょう。仕事に力を入れると、途端にプライベートを楽しめなくなる、そんな不器用な私からしたら、以前はもう謎だらけでした。
しかし、見えてきているのが、きっと自分の【好きとか嫌い】とか【得意とか不得意】みたいなものだったり、そんな【自分のこと】がちゃんとわかっていて、それが腑に落ちている領域に達していて、そんな自分を活かした生き方を、実践している方々なんだと思います。
力の抜き方、力を入れるべきところ、ちょうどいい力の入れ方、そういった微調整のできる器用さを持ち合わせた、大人の余裕のある、できる女になりたい!
30代なんてまだまだお子ちゃまだったな…と、なってわかる実感と共に、そんなちょっと笑われてしまいそうな、次なる目標を意識しているアラフォーが私なのです。
余計なエネルギー消費をせずにいろんなことを淡々とこなせる。
だからこそ人生を最大限に楽しみつくせる。
そんな素敵な大人に憧れるのです。
私も、もう大人になろう。