ひとと植物をみつめて イギリス編 1
迷子のたぬき
朝の福岡空港にて、どこからか迷い込んだ一匹の若いたぬき。
完全人工のシャープな空間で、出口を探しながら地下への通路をただ走るしかない姿がすれ違う。
じぶんの存在が場違いなことを知るこころもとなさ。
出口を見つけたとしても、その先に広がるさらなる人工迷宮地帯に対処しなければならない彼を思うとなんとも絶望的で、バツの悪い思いで飛行機に乗り込んだ。
長くうつろな移動時間、座席ポケット冊子のひとつの記事が目に留まる。
Andre Kuipersというオランダ