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何をもって「正しい子そだて」なのか

ツイッターで見たツイートから思い出したことがありました。
デパートで突然「あなた、それは虐待よ」と言われたこと。

助けてくれるわけでもなく、ただその言葉を吐き捨てて去った高齢者の女性を私は忘れません。

我が家は1歳3か月差の年子。兄が比較的大きくて、妹が比較的小さい子だったので年子だと思われることはあまり無かったのですが、中身は二人ともたいして変わらなくて、しっかりものの妹に比べ、マイペースな兄を育てるのは結構大変でした。

息子はとても純粋な子で、好きなものにはまっしぐら。
そういう性格が大好きな反面、マイペースであまり人の言葉を聞かない息子を見て、きちんと育てられていない自分をいつも責めていました。そもそもきちんと育てるって何?という感じなのですが、世の中には「子どもをきちんとしつけていない」と母親を責める人がたくさんいます。

子育てされている方、みなさん経験あるのではないでしょうか。

「あなた虐待よ」と言った高齢女性。それは忘れもしない、息子が2歳の誕生日でした。つまり娘はまだ0歳。まだネットで買い物をするのもそれほど普及していなかったころなので、誕生日プレゼントにレゴを買おうとデパートのおもちゃ売り場に行きました。平日だったので、パパが帰ってくる頃を見計らって夕方に。とりあえずおもちゃの購入を済ませて、ケーキを買う頃にパパと合流する予定でいました。

デパートでおもちゃ売り場に行くと、息子はそこに展示されているおもちゃに夢中になりました。想定の範囲内。それも踏まえて長めに買い物時間を確保できるようにしていましたから。

その後階下のスイーツ売り場に移動すると、息子は泣くこともなく、ただひたすらおもちゃ売り場に戻ろうとします。まっしぐらです。こちらは0歳の娘を抱っこしていますが、息子は勝手におもちゃ売り場に戻ろうとエスカレーターに乗ろうとします。

パパさんに電話をしないと、と思うのですが息子がエスカレーターに乗ろうとするので片手で抑えようにも力が強くて押さえられない。もちろん娘を抱っこ中。困ったなと思って、ベンチに座って片手と足をつかって息子が移動するのを抑え込んだところでした。そのとき、両足であぐらをかくように息子を抱え込んだ姿を見て「あなたそれ虐待よ」と言われたのです。

だれも助けてくれるわけではなく、ひとりで困っている母親に、突然の「虐待宣言」。それなら警察やデパートのインフォメーションに言ってくれた方がずっと良かったです。きっと助けてもらえたもの。

私がその時誰かに助けを求めようとしなかったのが悪かったのかもしれませんが、その時にどうすることもできなくて取った行動でした。それは虐待と取られても仕方ないのかもしれません。でも、困ったときに「突き落とす言葉」を放つのは本当に嫌いだ、とその時思いました。

今日、ふと「正しい育児」ってなんだろう、と思いました。私はその後も比較的厳しい母親で「やらない」「できない」子どもたちに怒鳴り散らすことも多々ありました。子どもたちが反抗期に入ってから、子どもたちの意思に向き合わざるを得なくなったので、ようやく私も「自分と子どもにとって最善の方法をとる育児」をしはじめました。子どもたちにとって「話を理解しようとしてくれる親」になれた気がします。

あのとき「あなた虐待よ」と言われなかったら、もっと早くに「子どもの意見を尊重する親」になれたかもしれない。いや、他にも言われていたからそんなことないかな。

少子化対策で子どもをもっと育てやすい社会にするなら、無責任に「正しい子そだて」を押し付ける社会ではなく、責任をもって子育てを見守れる社会にしたいな。


今日はふと思い出した「こそだてのこと」について書いてみました。


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