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今を見ることが得意な人

うちは19時半になったらお風呂に入るのがルール。

私は夕飯の片づけや寝る前の準備をしながら、2回程お風呂に入るように促した。それでもまだ入らない。寝る時間が遅くなってしまう。イライラ。そこで、次男に声を荒らげてしまった。「何時までゲームしてるのっ?」次男はごめんなさいと泣きながらゲームの電源を切り、テレビの前で服を脱ぎ、しくしくと寂しそうに背を向けながら浴室へ入っていった。

しょーもないことで怒ってしまった自分に情けなくて涙が出る。次の日眠くて辛い思いをするのは息子たちなんだからほっといてもよかったのかな。モヤモヤ。ジメジメ。

風呂からでてきた次男はまだ気にしている様子だったが、なんて言葉をかけていいかわからず無言でお風呂場に向かった。

お風呂に入って少しした時、次男がドアを開けて「上手にできた!」と折り紙で作ったポケモンを私に見せにきた。…上手だね。一言いうと、満足そうにリビングの方に帰っていった。少し前まで、泣いていたのが嘘のように、折り紙を楽しんでいる。反省してないのかな。私のこのモヤモヤはなんなんだろう…

でも、視点を変えてみれば、彼は「今」をみている。何かの本で読んだけど、人は未来の事を考えて不安になったり、過去の怒りにとらわれて動けなかったりすることがあるらしい。「今」の自分に視点があてることが大事なんだと。そう考えると、彼は「今」を生きている。

それに比べて私はどうだろう。怒ってしまった「過去」にいつまでもしがみついて、イライラの火種を探している。これも本で読んだことがあるが、人は一度イライラするともっとイライラの種を探して、もっと大きな怒りに変えていくのだそう。

モヤモヤしてもしょうがない。今、に目を向けなきゃ。温かいお風呂に入りながらゆっくり深呼吸。石鹸の泡が心のドロドロまで洗い流してくれた気がした。風呂上がりに、「さっきは大きな声出しちゃってごめんね」と次男に謝ると「いーよー」と軽い返事。彼の中ではすでに過去のことなのでなんのことなのかわからないかもしれないな。と思った。

その間、長男はというと、自分は無関係、といったかんじでお風呂に入り、次男の体を洗ってあげたり、体を拭いていた。私に何も言わずに、自分の役割を悟って行動できる。彼もまた「今」を見るのが上手だな、と感心した。

私も心穏やかに、今を見つめる努力をしよう。




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