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向日葵?いいえ、菊の花です

こんばんは、もこみです。
いきなりですが、ヘッダーの写真、皆さんには何の花に見えますか?

今日はお茶のお稽古に行って来たのですが、これはその時出していただいたお菓子の写真です。
私が最初に思ったのは向日葵🌻
ですが、実はこれ「菊花せんべい」というお菓子。そう、菊の花をモチーフにしているのです。

金沢の老舗 諸江屋

菊花せんべいは、金沢にある諸江屋さんのお菓子。
諸江屋は、創業170年を超える老舗和菓子屋で、「落雁 諸江屋」と名乗るだけあって落雁で有名なお店です。
生落雁の間に羊羹をはさんだ「加賀宝生」や、生落雁に花を型押しした「万葉の花」など、私も大好きな和菓子がたくさんあります。

菊花せんべい

菊花せんべい

確かに言われてみれば菊の花…ですね。
私が向日葵だと思ったのは、中心部分が向日葵の真ん中の茶色い部分に見えたから。
それと私が菊と聞いて思い浮かべるのが、こんな菊だというのもあります。

菊と言えば…

唐菊形とは

菊花せんべいは、諸江屋さんのホームページによると

唐菊形の餅種せんべいに、生姜砂糖を引きました。
爽やかな風味をお楽しみください。
諸江屋ホームページより

唐菊形。初めて聞きましたが、調べてみると、菊を図案化した文様の一つとのこと。
確かに鉄瓶などでも菊の花をかたどった模様がありますね。
図案化しているので、多少のデフォルメ?もあるのでしょうか。

菊花せんべいのお味は?

さて、肝心の菊花せんべいの味ですが、サクサクと軽い食感が楽しく、噛んだ瞬間に生姜の香りが口に広がります。
写真の濃い黄色に見えるところが生姜砂糖のようで、生姜の辛みの中にも優しい甘みが感じられ、説明通り爽やかなお菓子でした。

◉豆知識◉

菊は秋の花ですが、この時期に菊のお菓子が出てくるのは、重陽の節句にちなんでいるから。

重陽の節句とは

重陽の節句とは五節句の一つで、九月九日。
そもそも中国の陰陽五行の思想において、偶数は「陰」で縁起の悪い数字、奇数は「陽」で縁起の良い数字とされます。
五節句は、その縁起の良い奇数が重なるおめでたい日ということになります。
そして、その奇数の中でも一番大きな数字「九」が重なる九月九日を重陽の節句と言います。

着せ綿、菊酒

着せ綿は、重陽の節句の前日、つまり九月八日の夜、菊の花に綿をかぶせておき、翌朝菊の露と香りを移した綿で身体を清めて、邪気をはらい長寿を願うという風習です。平安時代の貴族たちが行なっていたとされています。
他にも、菊の花びらを浮かべた「菊酒」を飲んで、健康長寿を願ったりもしたそうです。

古来中国では、菊には霊力があり邪気をはらい長寿の効用があるとされていたと言います。
医療の発達していない時代ですから、そういう風習が広まるのも肯けます。
それにしても、さすが平安貴族。なんとも雅な世界ですね。

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